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部落問題資料室
NEWS & 主張
低い人権意識
「(自分は)エタ、ヒニンみたいなものだ
製薬会社職員が新入社員歓迎会で
「解放新聞」(2005.5.23-2219)
 【大阪支局】大阪の大手製薬会社S社の新入社員歓迎会の席上で、マネージャーという基幹職のAが、部下を励ますために、自分が身分が高いのではないということをたとえて「(自分は)エタ、ヒニンみたいなものだ」と差別発言した事件(別項記載)で、5月20日午後1時30分から大阪人権センターで糾弾会をひらき、真相を明らかにする。

5月20日糾弾会

 発言は昨年9月に起こったが、同席者と思われる人からの投書で明らかになった。
 3回にわたる確認会でAは「部落」「同和」という用語は口に出してもいけない言葉と認識し、「エタ、ヒニン」は江戸時代の身分制度で用語としても問題ないと理解し、驚くことに「エタ、ヒニン」と「部落」とは結びついていないことがわかった。さらにAは大学時代、「1回生は士農工商でいうとその下だ」と先輩から差別意識を植えつけられ、王様ゲームで身分制を使うように安易に使われるなかで、今回の事件にいたった。
 とくに、S社はAにたいし、入社以降一度として、部落問題の学習がなされていない実態が明らかになった。
 また、差別発言の制止が茶化したような形でおこなわれていたことや、投書という形で発覚するまで事件が放置されていたことなど、会社の人権研修をはじめとする人権問題のとりくみがまったくひどいものであったことが明らかになっている。

差別発言事件の概要
 昨年9月、S社の新入社員歓迎会の席上の出来事で差別発言が起きた。宴席なかばでの自己紹介で、所属のグループは、女性が強い力をもっているという話になり、

部下B「(略)、カースト制で言うピラミッドの頂点に立っているのは、女性陣ですよ」
A「そうそう。部下Bが女王様だ」
部下C「どうせ僕たちはモニターとしてやっているだけで、重要な役割じゃないですよね」
A「(私たちの)グループの主役は皆だと思っている。自分はちゃんとした役割を果たしていないが、皆に助けてもらっている。マネージャーは身分が高いのではない。下から支える立場だ。例えば士農工商の下、何やったっけ?」
部下D「それってエタ、ヒニンですか?エタ、ヒニン?」
A「ああ、そうだ。エタ、ヒニンみたいなものだ」
部下C「それを言ってはまずいでしょ」

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