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部落問題資料室
NEWS & 主張
研修で態度を硬化
本人の出席を再度追求

タクシー運転手差別発言事件で
「解放新聞」(2005.8.22-2232)

 【兵庫支局】香川県タクシーT運転手差別発言事件(2179号、2188号既報)の総括会議が6月27日、香川県連でひらかれ、総括をおこなうとともに、今後ともT運転手が話し合いの場に参加できるよう、行政関係や会社、タクシー協会に努力を要請した。

香川・兵庫県連
総括会議ひらく

 総括会議には、兵庫県連からは赤松賢宥・委員長ら4人、伊丹支部からは告発者ら3人が参加。香川県連からは岡本俊晃・書記長ら4人、また香川県、高松市、伊丹市の行政が参加した。業界からは、T運転手が勤務するタクシー会社、高松タクシー協会が出席。T運転手は欠席した。
 会議では、タクシー会社が総括文を提出した。内容は「T運転手には何度も出席要請したが説得できなかった。申し訳ない。T運転手とはのベ186日にわたり丹念に話し合ってきたが、差別発言は一貫して否定しており、疑念を晴らすことはできなかった。一方、本人にたいし、各種の講演会・研修会を受講させるなどした結果、本人も部落間題にたいする理解が深まった、といっている」というもの。
 参加者からは、「3月の伊丹市での話し合いは、T運転手の態度がますます硬化しており、話し合いにならなかった。研修会を通じて部落問題が存在することを知っただけで、本人の意識変革は全くできていない」また「なぜ自分だけ敵視されるのかという意識が強いのではないか。研修の内容や方法を検討しなおしてはどうか」などの意見が出た。
 T運転手は差別発言を否定しているが、参加者全員が差別発言があったと考えざるをえないとの認識で一致している。また神戸法務局も「人権侵害があったと認定する」としている。
 総括会議は、今後ともT運転手との話し合いの場を追求するとともに、今回の差別事件を通して「人権侵害救済法」が必要であることを参加者全員が確認して終えた。

差別発言事件の概要
 差別発言事件は、04年2月6日、兵庫県連伊丹支部員2人が香川県・高松市でひらかれた「第18回人権啓発研究集会」2日目に参加するために、乗車したタクシーのT運転手が、市内の部落の地名をあげ「やっぱり部落は怖いですわ」などと発言したもの。
 兵庫県連と香川県連がこれまで3回の「確認会」をひらいたが、T運転手はタクシー内での差別発言を否定し、「法務局に人権侵害で訴える」と対決姿勢を表明、確認会への参加を一切拒否。その後、「当事者同士で話し合いをもっては」との働きかけに応じ今年3月に伊丹市内で話し合いがもたれたが、T運転手は「セミナーにも引っ張りだされてきたのでプライベートな時間も束縛されている。早く解放されたい。敵対心は以前より強くもっている」などと、これまでの社内研修が逆にT運転手をかたくなな態度にしており、研修のあり方にも疑問をもたざるを得なくなっている。

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