浄土宗は、今年度の「差別戒名物故者追善法要」を青森市・正覚寺でおこなった。9月13日午後からおこなわれた法要には、浄土宗青森教区を中心に250人が参加、部落解放同盟からは、組坂委員長、西島書記次長ほか、栃木県連、長野県連から代表が参列した。
法要は浄土宗総務局長福島照純師が導師を勤めた。差別戒名をつけられた被差別部落の故人の諸精霊にたいして慰霊と追悼の読経が営まれた。途中参列者による焼香がされ、福島師が「差別戒名物故者追善法要表白」をおこなった。
宗門の反省と決意を
差別戒名物故者追善法要で
浄土宗
表白では「…しかりと雖(いえど)も無明の闇にさまよいて本覚の路にまようこと久し。然る間世俗の差別に馴染みこれを容認荷担し 差別戒名を授与する大罪を犯し図らざる大過を重ぬ。誠にもって摂取不捨(せっしゅふしゃ)の願意平等往生の祖意に背く 茲(ここ)においてわれら至誠の志を合わせ 大いに懺悔滅罪(さんげめつざい)し奉らんとす」とのべ、諸精霊にたいし「我等が志願を納受したまい 無為の浄土にて安らかならんことを」求めた。
また法要後、福島師から水谷幸正宗務総長のあいさつが紹介された。「差別戒名・墓石の改正について1597霊の改正が済んだが、約400霊ほどが残っている。1日も早く改正がすむよう努力している。本宗が一時差別に荷担した事をただしく認識し学習を深め、反省俄悔しなければならない」と宗門の反省と決意がのべられた。
来賓を代表してあいさつした組坂委員長は、「…差別戒名・墓石の問題は過去の問題ではない。過去帳や差別墓石で結婚の身元調査に悪用されてきた。認識をあらたにしてほしい。青森県に全国水平社以来の運動の歴史はないが、被差別部落は存在する。さまざまな差別をなくすために尽力してほしい」とのべ宗門のとりくみに感謝をのべた。
また、法要に先立ち講演がおこなわれた。「平等の原点」と題して長野教区十念寺の袖山榮眞師が、長野市差別戒名対策委員会長をした経験や映画「マイ・ファーザー」を手がかりに、人間の平等の原点について話した。翌日には人権研修会がおこなわれ、国立療養所松が丘保養園自治会の藤崎陸安さんから「ハンセン病の歴史と人権」、同松が丘保養園園長の福西征子さんから「ハンセン病その治療と治癒」について学んだ。
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