【長野支局】人権推進室の職員に、S不動産会社のA社員が「部落を地図上で示してほしい」と発言した「佐久市・旧望月町における部落所在地調査事件」の確認会を9月7日、佐久市中央隣保館でひらき、S不動産会社のB代表が「部落があるか知りたかった」と差別調査の事実を認めた。再度確認会をもち、事件の背景や問題点を明らかにしていく。
確認会で会社代表
所在地調査認める
確認会には、S不動産会社のB代表とA社員が出席。部落解放同盟からは、山浦励一佐久市協議会長、清水千年・同市協書記長、佐久市行政からは5人が出席した。
S不動産会社のB代表は、「この辺で(同和)地区があるかないか、調べられるものなら聞いてきてほしい」とA社員に住宅地図のコピーを渡し指示したことや「同和地区があるかないかを知りたかった。他(の市町村)はあそこら辺に(同和)地区があると知っている。しかし望月町はわからなかった」とのべ、事件の内容について認めた。
また、「なぜ調べる必要があったのか」と追及すると、B代表は、「鑑定の業務でおこなった。同和地区かどうかで評価に反映させるわけではない。たまたま調査項目にのせた。いろいろなことを知りたいという項目の中の一つとして、頭の片隅に置いておきたかった」と答えた。
さらに「調査すること自体が差別だという認識があったのか」との問いには、B代表は、「人に言ったりすること(言動)は差別だと思っていたが、調査することも差別だとは知らなかった」とのべた。
なお、部落問題の研修会を受けたことがあるのかどうかの質問には、A社員とB代表は、「学校のときに受けていると思うが、よく覚えていない。業界の研修は受けた記憶はない」と答えた。
山浦・佐久市協議会長は、「この日の確認会をうけて、再度確認会をひらきながら、事件の背景や問題点を掘り下げていきたい」とのべた。
事件の概要 |
05年3月24日、望月町役場の人権推進室(現在・佐久市望月支所)の窓口に来庁した佐久市のS不動産会社のA社員が、望月町内のK地区が掲載されている住宅コピーを示し、「「部落」「同和」地区を地図上で示してほしい」と発言。 人権推進室の職員が「行政として示すことはできない。なぜ必要なのか」と聞き返すと、A社員は「表面上は示さないが競売の情報として必要」と答えた。 対応した職員は、「この行為は明らかに部落差別。法務局などに連絡し、しかるべき処置をする。会社に帰りその旨を周知してほしい」と伝えた。 役場から、部落解放同盟佐久地区協議会や法務局などに報告され、事件が明らかになったもの。 |
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