【大阪支局】「黒人、嫌い。出て行け」と、大東市のメガネ店でアフリカ系アメリカ人のスティーブ・マクガワンさん(40)が、「黒人を理由に入店拒否された」として、150万円の損害賠償を求めた訴訟が10月31日、大阪地裁民事18部でおこなわれた。
大阪地裁で結審
12月19日 午後1時15分~
この日の法廷でマクガワンさんは、メガネ店に行ったときのようすを「店の前のポスターを見ていたら(店主から)「出て行け。黒人嫌い。ショーウインドー触らない。じゃま、無理」と怒鳴り、犬を追い払うような手つきをして入店を拒否された」と語り、「これ
は個人ではなく、多くの日本に住む外国人の問題であり、日本社会の問題だと思う。人種差別がどれだけ人の心を傷つけるか分かってほしい」と陳述した。
一方、メガネ店主は、「店に年配の人から「孫の眼鏡の処方せんをもって買いに行っているが、変な雰囲気なので今日は帰る。気をつけた方がいい」という電話があり、マクガワンさんが中腰でショーウィンドーをのぞいているので「道の向こうに行ってくれ」と2回いった」と反論。「向こうに行って、といったのは失礼だったと思う」としながらも「年配の人物からの電話」以外に追い払った動機はないと、人種差別を否定した。
今回の事件は、「黒人、嫌い」という発言の有無が最大の争点。裁判官は被告の行為が「人種差別」であり、いかなる理由があろうとも許される行為ではないことの判断を示すべきである。12月19日に大阪地裁で結審となる。
事件の概要 |
京都府在住のデザイナー、スティーブ・マクガワンさんが、昨年9月、友人の宣教師とともに大東市のメガネ店に行ったさい、ショーウインドーに貼ってある広告を見て、視力検査とメガネの値段について聞こうとしたところ、「出て行け。黒人、嫌い。ドア触らない。ショーウインドー触らない。じゃま、無理」と入店を拒否され、大阪地裁に「入店拒否は人種差別だ」として、同店主に150万円の損害賠償を求めている裁判。 |
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