【滋賀支局】学校現場で日常会話やゲームのなかに「えた、ひにん」と、県立野洲高校生徒による連続差別発言事件糾弾学習会を、11月29日、野洲市の「コミュニティセンターやす」でひらき、この事件が学校教育、社会教育さらには生徒をとりまく地域社会の問題と根は深く、この学習会を出発点に今後のとりくみをすすめることを確認した。(2192号既報)
日常の会話で
「えた、ひにん」
糾弾学習会には、県連と地元の和田支部、野洲高校教職員、県行政や野洲市の関係者ら180人が参加。県連の「糾弾要綱」の提起を受けて、野洲高校、県教育委員会、野洲市・野洲市教育委員会が「見解書」などを出して差別事件の背景や要因で相互の理解を深めた。
糾弾学習会では、建部五郎・県連委員長が、「同和教育を軽視した人権教育はありえない」とあいさつ。末松史彦・県教育委員会教育次長が、「子どもが安心して学業にうちこめ、学力の向上と豊かな心をはぐくむのが学校である。これまでのとりくみを見直したい」とのべた。
県連から、今回の事件(別項)を社会問題として提起したのはいずれも生徒、泣き寝入りせず親しい友人を告発するという生徒の悲痛な叫びや憤りを、まず受けとめてほしい、と指摘。事件は、すべて学校現場で起こっており、「穣多(えた)、非人(ひにん)」発言に教師は責任問題として深刻に受けとめなければならない、と糾弾要綱をつぎのように提起した。
野洲高校は70校の中学から生徒がきており、そのうち7校の生徒が今回の事件にかかわっている。それだけに中学校での同和・人権教育のあり方もふくめ、部落史の学習のあり方、地区の保護者や地域総合センターとの連携など7項目を指摘。事件をふまえた達成課題では差別を受けた当事者の人権回復人権保障、当該支部との信頼関係の再構築など9項目を提起した。また、県教育行政の課題や同和・人権教育連動団体にたいする提言もおこなった。
これにたいして野洲高校側は、「事件のまとめ」を発表し、差別発言をした生徒や事件を起こした生徒への個別指導と現状を報告し、「ごく普通の生徒が、安易に差別語を発言していることは、それまでの人権教育、同和教育の不適切さを明るみにし、本校での人権・同和教育のあり方にも鋭い問題を投げかけるもの」と受けとめ、①人権教育の土壌づくりと組織の確立②当該生徒と教師とのきずなの大切さ③人権・部落問題学習の推進④教職員の人権意識の向上など6項目の「学校としての実践課題」をあげた。
さらに県教育委員会から「事件のまとめ」、野洲市・野洲市教育委員会から「見解書」が報告された。
その後、意見交換を重ね「今日をスタート」としてとりくんでいくことを確認して終えた。
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