【滋賀支局】自治労県本部女性部学習会における差別発言事件(別項)糾弾学習会を昨年12月6日、彦根勤労福祉会館でひらき、県連、自治労県本部、高月町や県行政などから150人が参加した。県連の「糾弾学習要綱」、自治労県本部と高月町の「見解書」を相互に確認した。この事件を契機に、自治労運動と部落解放連動が信頼を回復し、より連帯・発展を強め、共同闘争の前進を求めた。
合併にともなう
学習会で差別発言
糾弾学習会では、まず県連が糾弾学習要綱を提起し、事件の背景は、市町村合併という住民・行政など多くの人びとの利害が絡まるなかで依然として根強く存在している部落差別意識が表面化したものである、と指摘した。
また県連は、自治労県本部の課題として、狭山再審の闘い、部落解放・人権政策確立の闘いは部落解放同盟の課題であり、自治労運動はその闘いを支援しているという発想があるなら、その転換をはかり、これらの闘いを自治労運動の基軸に位置づけるべき。また行政の財政悪化や合併によるリストラ攻撃の最大の被害者は、現業部門や嘱託・臨時職員・女性職員であり、職場での差別構造をふまえた反差別の視点に立った職場闘争と部落解放運動との共同闘争がもとめられている。これまでも戸籍法の改正、統一応募用紙の策定など多くの成果をあげてきたのも事実。あらためて共同闘争を前進させていこう、とよぴかけた。
県連の提起をうけて、自治労県本部と高月町はそれぞれ「見解書」を報告した。
自治労県本部は、人権闘争が単組全体のなかで希薄化しており、部落問題・人権にたいする県本部執行部の認識が欠けていたことを率直に反省し、出発点として「反差別人権確立委員会」を組織し、部落差別の撤廃をめざす人権運動の強化・実践を強化する、との見解をのべた。
高月町は、度重なる協議や職員研修をへて全職員の意見を、「傍観的に捉えている土壌があった」「町行政全体の問題として共有化ができていない」など7項目にまとめ、4項目のとりくみ課題を明らかにした。
糾弾学習会は、3団体からの決意表明をうけ、最後に建部五郎・県連委員長が「差別は当たり前という人生を歩むのか、それとも差別を矛盾として捉えるのか、個人としても組織としても大切な岐路となる。ともに部落差別の撤廃・人権確立に向けてがんばろう」と締めくくった。
差別事件の概要 |
03年11月に守山市でひらいた自治労県本部主催の第1回拡大女性部長会議のあと、市町村合併問題の学習会後、講師への質問で自治労高月町職のM女性部長が市町村合併にともなう労働条件の悪化にたいする闘いを質問したあと、つぎの発言をおこなったもの。 「湖北は1市9町の広域合併をめざしている。高月町には同和地区はないが、新市になると同和地区のある町と合併することになる。従来から同和行政にたずさわる職員がノイローゼになったという噂を耳にしている。嫌がらせ的異動で経験のない職員を同和行政に当てて、仕事が嫌になるよう仕向けることも考えられる。そのような異動があるとすればどのような対応が可能か」 |
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