pagetop
部落問題資料室
NEWS & 主張
「〇〇町の○○は部落民」
呉市で連続・大量差別紙片が
「解放新聞」(2006.05.01-2267)

 【広島】呉市で、差別紙片が大量にばらまかれる事件が連続して起きている。昨年3月29日、「広島県呉市○○町の○○君は部落の人」という紙片(縦3cm×横5cm)が電柱に数か所貼られていたのをきっかけに、その後も断続的に差別紙片が市内各地の路上や駐車場などでばらまかれた。呉市以外にも、広島市や近隣町にもばらまかれており、今年3月末までに合計1万3149枚もの差別紙片が発見されている。

犯人も動機も不明の1万3149枚

 この1年あまりで、差別紙片は33種類にのぼり、カラー両面刷りで名刺サイズ(縦6.5cm×横9cm)に大きくなり、当事者の名前もフルネームで表記され、「○○君」から呼び捨てになった。「部落の人」から「部落民」と表現も露骨になり、イラストを付けるなどふざけたものに。1度にばらまかれる数も数十枚から数百枚単位になり、今年3月だけで5517枚がばらまかれた。
 紙片は、地域住民や市職員、企業関係者、学校教職員、小中学校の児童・生徒などによって発見、回収されている。紙片に書かれた人物は実在しており、実際に「○○町」で生活し、部落民でないことがわかっている。
 これまでに呉市協や呉市人権センターなどが協力し、呉市内の数十か所で数回張り込み捜査をおこなったが、いまだ犯人を特定するにはいたっていない。
 「広島県呉市○○町の○○は部落民」という差別紙片をばらまきつづける犯人の動機はいまのところ不明だが、「部落民」という言葉で当事者を侮蔑しようとする意図は明らか。また、その手段を機能させている社会意識にこそ部落差別の現実があり、断じて許すことはできない。
 今後も張り込み捜査による犯人特定はもちろん、6月には、連合広島、県共闘会議が事件の真相報告集会を呉市でひらき、事件解決に向けて広く市民に啓発し、事件の周知徹底をはかっていく。

「解放新聞」購読の申し込み先
解放新聞社 大阪市港区波除4丁目1-37 TEL 06-6581-8516/FAX 06-6581-8517
定 価:1部 8頁 115円/特別号(年1回 12頁 180円)
年ぎめ:1部(月3回発行)4320円(含特別号/送料別)
送 料: 年 1554円(1部購読の場合)