徳島自衛隊内差別事件の第2回口頭弁論が、5月9日午後、香川県の高松高裁でおこなわれた。裁判では、差別発言を受けたHさんが意見陳述をおこなった。また、差別発言を受けたHさん、自衛官2人、差別発言をおこなったTとその連れ合いの5人の証人尋問を裁判所に求めたが、事実関係はすでにでており、あとはその評価の問題として裁判所は却下した。裁判のあと、香川県平和労組会議で報告集会をもった。次回は6月13日午後で、Hさんが意見陳述書を提出する。
Hさんは意見陳述のなかで、被差別者の叫びに耳を傾けてほしい、正しく事実を認識し、部落差別の実態を認識してほしい、と裁判官に訴えた。控訴人側からの証人尋問の求めにたいし、裁判所は審議を中断し、異例ともいえる10分間にもわたる合議をもち、さきの結論を示した。
報告集会で、当初、3月末までには反論の準備書面を提出するとしながら、5月2日になって相手側が提出してきた。しかもその中身は、差別発言の回数については問題ない▽Hが認識を聞き出そうとして差別発言を引き出した▽反省文(これは裁判所を騙すために、あとからつくられたものであることは明らか)は見せていないものがあることも事実だが、それ以外にも見せた反省文がある、いずれにしても反省文を見たことがないというのはウソ、などとした、まったく不誠実な内容であることを弁護人が指摘した。
Hさんは、自衛隊の組織ぐるみの差別発言事件は許せない、支援をと訴えた。赤井中執は、この裁判で差別発言を認めさせ、法務局の説示ですませるだけという問題、自衛隊組織の差別体質の問題に迫ろう、とよぴかけた。
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