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部落問題資料室
NEWS & 主張
天皇の戦争責任を糾明
4.29来年から「昭和の日」に
「解放新聞」(2006.05.22-2269)
 【京都】戦犯昭和天皇ヒロヒトの誕生日が来年から「みどり(緑)」から「昭和」の日に変わる4月29日、天皇制の強化を許さない京都実行委員会は、今年も「天皇の戦争責任を問い続ける京都集会」を京都府部落解放センターでひらき、100人が参加し、映像と講演をとおして天皇と靖国神社の戦争・戦後責任を糾明した。
 参加者は、戦争する国づくりが急ピッチですすめられ、「昭和の日」として一段と天皇賛美・国家主義が強まるなか、戦争と抑圧、差別と排外主義の元凶である靖国・天皇制に抗する闘いを今一度、かみしめた。
 集会では、同実行委の代表世話人である大野昭則・府連委員長が、「間違いを許さぬと固く誓って60余年、ところが与党だけではなく野党もまきこんでいつか来た道を歩もうとしている。悠長にはできない。真実を多くの人に知らしめる私たちの責任は重い」と戦争への道を止める闘いを訴えた。
 集会は、60年前、米国国防省情報宣伝局が制作した反日映画「汝の敵・日本を知れ」を上映、「一億一心」で侵略戟争に突きすすんだ日本の歴史・社会・経済や日本人の精神構造・教育などを映像資料を駆使して米国から見た「戦争国日本」を描き出している。
 講演は、筑波大学教員の千本秀樹さんが、「天皇の戦争責任と靖国神社」と題して靖国神社で毎日放映されているビデオ「私たちは忘れない」(中国や朝鮮などアジア侵略への反省はまったくなく、自存自衛の戦争として正当化)を紹介しながら、小泉首相の靖国参拝をはじめ靖国・天皇制の問題を提起した。
 千本さんは、兵士を「靖国であおう」の合言葉で戦場に追いやった最高の責任者は天皇であり、靖国神社で戦死者の魂とあえるという幻想を作ったのは戦争する国家。靖国神社は現在の「遊就館」を見れば明らかなように今でも徹頭徹尾、軍事施設で、遺族の不満を抑圧する政治的施設として機能している、とのべた。
 最後に、代表世話人の府上征三・牧師が、韓国でみた独立記念館と靖国神社の歴史観の大きなギャップを紹介し、過ちをくり返さないために歴史に学ぼう、と集会をまとめた。

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