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部落問題資料室
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第38全国高校集会(佐賀全高)
の成功をかちとっていこう
「解放新聞」(2006.06.26-2274)

 部落解放第38回全国高校生集会を、7月28~30日の3日間、佐賀県・唐津市民会館を主会場にひらく。
 これに先立ち、6月3、4日に全国高校生活動者会議をひらき、今夏の集会に向けての意志統一と日ごろの各地での活動の交流をおこなった。限られた参加者と短い時間という制約があったが、各地の高校生のとりくみや、それぞれの思いが語られるなど、意義深く、貴重な時間を共有することができた。
 部落解放運動や全高にたいする高校生1人ひとりの想いを出し合い繋いだものが、集会スローガン「Stand up!! 自分たちの手で~差別のない平等の大空へ、この絆と想いをのせて~」である。

 今夏の佐賀全高には、この力強いよぴかけではじまるスローガンのもと、全国各地から大勢の高校生が唐津の地につどい、例年同様に熱い議論が交わされることを期待する。そこで、活動者会議での報告や意見をふまえて、今夏の佐賀全高に向けた提起をおこなっておきたい。
 まず、高校生1人ひとりが、部落問題をはじめ政治やさまざまな社会問題にも関心を寄せ、個個の課題について自分の頭で考え、自分なりの答えを導き、引き出す力を養ってもらいたい。そして、導き出した自分の考えや意見を表現する何かしらの術を身につけてもらいたい。
 世の中には、1つの事柄の是非を巡って、人によって意見や評価が食い違うことも少なくない。時には、親しい間柄にあっても、深刻な対立を生み出すような場合があるかもしれない。しかし、誤りを指摘することを躊躇したり、食い違いや対立を回避するために無関心を装ってみたり、多数意見を支持したりすることが、差別や人権侵害を見過ごし、より取り返しのつかない事態を招くこともある。「反差別・人権」の視点を磨き、目の前の部落差別を見抜き、誤りを指摘する力、そして「反差別・人権」の視点で社会全体の流れを捉え、そうした流れに逆行する勢力にたいして抗する力を身につけていこう。

 今日、政府は「自由な競争」の名のもとにさまざまな「改革」をすすめている。教育の分野では、差別越境を助長する「学校選択制」や、学校や地域の序列化に繋がりかねない「全国学力調査」の導入がすすめられようとしている。とりわけ問題なのが「愛国心」の導入を盛り込んだ「教育基本法」の「改正」である。この「改正」の裏に、巧みに隠されていることをしっかりと見抜いていこう。
 「教育基本法」の「改正」は「改悪」であり、「憲法」の「改悪」と繋がっている。法律や言葉はやがて1人歩きをはじめるといわれる。「国を愛する心」が「国を愛する義務」へ、やがては「国を守る義務」から「戦争に行く義務」へと、変わらないという保証はない。
 「戦争は最大の差別であり、最大の人権侵害である」。あらゆる差別の撤廃とすべての人の人権が保障された社会の建設をめざす部落解放運動にとりくむ者が、このような平和と民主主義を破壊する流れを見過ごしてはいけない。

 全高では、「部落解放運動のなかで、高校生自身が今できること」について全国の仲間と具体的な論議を深めたいとの意見も出されている。ぜひとも、今夏の集会に日ごろの各地でのとりくみの成果と課題をもち寄り、交流と議論を深め、部落差別の撤廃と人権確立社会の創造に向けて、高校生1人ひとりが自分自身にできることを考え、積極的な提案をしてもらいたい。
 そして、全高での成果を地元にもち帰り、各地での部落解放運動のなかで、高校生自身の考えや想いを社会に向けて積極的に発信し、具体的な行動を起こしていこう。
 部落解放連動の新たな未来を切り拓き、今夏の佐賀全高を成功に導くために、各都府県連・支部からの積極的な参加と活発な論議を期待する。

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