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部落問題資料室
NEWS & 主張
全国の声を鳥取へ
「人権救済条例」の充実と施行を求め
鳥取県人権救済条例見直し検討委が第1回会合
「解放新聞」(2006.07.03-2275)
 「鳥取県人権侵害救済条例」の第1回見直し検討委員会が5月2日、県民文化会館でひらかれ、永山正男・鳥取大学副学長を会長に互選し、別掲の結果概要のように会の役割など検討課題や内容について確認した。片山善博・知事の検討委への要請あいさつと、付託をうけての永山会長の考え方を要約(見出しも編集部)して掲載する。「条例」の充実と1日も早い施行を求める全国の声を鳥取に集中しよう。

予断なく見直しを
知事 片山 善博

 昨年の9月議会で「人権救済条例」が成立し、執行に向け準備をすすめてきた。「条例」にもとづく委員会は準司法的機関の性格が強く法曹の皆さんの協力が不可欠と考えているが、法曹のみなさん方からは、この条例のままでは到底協力できないという意思表明があり、つぎのような問題点の指摘があった。①立法を必要とする事実がどれだけ掌握されているか②人権侵害の定義が極めてあいまいではないか③人権救済委員会の執行部からの独立性があるのか④行政機関の人権侵害事案にたいしてすこしルーズではないか⑤表現の自由・取材の自由を制約する可能性があるんではないか。
 その後の議論のなかで、それならばこの条例について根本的に問題を指摘していただこうと、昨年末と今年の年初の2回に分けて有識者のみなさんに集まっていただき、この条例についての問題点を整理した。その結果、今のままでは施行できないと、それならば一から見直したいと、3月議会で施行凍結と、あわせて一から見直すための関連経費を予算化し、それを議会で承認をしていただいた。
 この見直しの委員会がきょうから始まるわけで、いいチャンスだと思うので、この条例を一から総点検して見直したい。そのための検討手続、見直しの作業を、みなさんにお願いしたい。予断も予見もなく、一から見直しをしたいと考えておりますので、積極的なご協力、ご支援をお願い申しあげたい。

論点積み重ね解決策へ
会長 永山 正男

 「条例」で人権侵害を救済するということにたいする、さまざまな期待感を寄せられている方は現実におられる。他方で、人権救済という名前で市民生活に行政の不当な介入があるのではないか、鳥取県が住みづらくなるという感想をお持ちの方も現におられる。
 この2つを同時に解決することはできないのかと。人権救済を実際に機能させながら、市民生活の活力を失うことのないような工夫、仕組みというものを「条例」の上で考えていく、ということが知事からこの委貞会に付託された審議内容ではないかと思っております。
 その検討と工夫をここでどのくらいの期間がかかるかわかりませんが、真摯に積み重ねていくことだろうと思います。
 最終的にはどこかで、どういう形で条例化するという決断がでてくると思いますが、それはおそらく、この委員会の仕事ではなくて、政治の世界の話であろうと思いますので、われわれとしては実効性があり、かつ市民生活に不当な介入にならないような人権救済の条例について、真摯にその論点を積み重ねていって、解決策を考えるということではないかと思っております。

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