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部落問題資料室
NEWS & 主張
「指針」を策定
土地差別の解消に向け
現行・宅建業法の不備補い
「解放新聞」(2006.07.17-2277)
 【滋賀支局】滋賀県は、4月1日付けで「滋賀県宅地建物取引業における人権問題に関する指針」を策定、県内の宅建業界団体と全宅建業者に通知した。今回の指針は、昨年11月のSハウジングによる不動産物件差別問い合わせ事件糾弾学習会(第2254号既報)のなかで、県連が問題提起し県行政が検討していたもの。県連は、この「指針」のもつ意義はひじょうに大きい
と評価、「指針」を絵に描いた餅に終わらせないように各市町行政に「指針」の周知徹底を図るとともに、とりくみを強化していくことをアピールした。

滋賀県が

 「指針」は、(1)宅地建物取引業における人権問題(2)人権問題の解決に向けて(3)人権問題に対する遵守事項について、の3点で構成されている。
 (1)は、Sハウジングによる不動産物件差別問い合わせ事件など県内外で多発している差別問い合わせ事件をはじめとした人権問題が発生している現実をふまえて、「人権問題を未解決のまま放置することは許されない」とし、「解決を図るため、県および業界は、それぞれ役割分担しつつ、連携・協力する」こととしている。
 (2)では、県の責務として、①啓発推進体制を確立すること②県民啓発を推進すること③差別事象への対応、の3点を具体化。
 (3)は、①宅地建物取引業者の責務②業界団体の責務、を明確に示している。県連は、この「指針」にたいして、つぎの5点をあげ、意義は非常に大きいと評価した。
 ①宅地建物の取引で、部落差別をはじめとする人権問題がいまも発生し、深刻な被害をあたえていることを明らかにしたこと。
 ②人権問題一般の啓発から個別の宅地建物取引にかかわる人権問題の啓発を具体化し、そのための推進組織の整備や内容、手法を検討、調査することを示したこと。
 ③差別事象が発生した場合、県行政は速やかに必要な資料収集や関係者より事情聴取に努めるなど、差別事件の解決に向けた姿勢を明確にしたこと。
 ④「取引物件の所在地が部落であるかないか、または、部落を校区にふくむかどうかなどで、調査、報告、教示しないこと。また、差別につながる不適切な広告、表示をしないこと」と、差別問い合わせや差別的な内容の広告を禁止することを明らかにしたこと。(現行の宅建業法の不備をこの「指針」でカバー)
 ⑤業界団体の責務として「県や関係機関と連携しながら組織的な研修・啓発のとりくみ」をすすめることを明示したこと。

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