毎年、慰霊碑を掃除
長崎支部解放子ども会が
毎年この日が来ると長崎支部解放子ども会である「雑草の会」の子どもたちがこの慰霊碑を掃除する。平和への願いを伝えるとりくみとしてつづいており、今年もきれいに洗われた慰霊碑の前で法要が営まれた。
また、主催する「長崎郷土親興会」は、住民の親ぼく組織であり、毎年8月9日に追悼式をおこない、全国からかつての住民たちが里帰りしてくる。
「涙痕之碑」のかたわらには、昨年九州ブロックから贈られた折り鶴かけがある。1年をとおして全国の解放同盟組織や解放子ども会が視察や交流に訪れる。あまりにも多い平和への願いを込めた折り鶴の置き場がなく、新たに建設を決めて昨年完成したもの。今年もたくさんの折り鶴がつるされた。
この追悼式の前には、地元の小学生が20人ほど教師に引率されて梅本テル子・会長の話に聞き入っていた。
梅本さんは、日頃から各地で被爆と部落差別の二重の差別の被差別体験を訴えてきた。「長崎に原爆が投下された後、浦上川でみんな死んでいた光景は、凄惨だった。8月9日、原爆が落ちたとき、家の下敷きになった妹を助けてやることができなかった父が、言葉を発することができなくなり別人のようになった。兄と弟も死んだ」と原爆、戦争の悲惨さを語った。また各地で、「戦争のない世のなかを創ってほしい。部落に生まれたからといって自分を卑下することはない。人間として胸を張って生きてほしい」と若い人たちに反差別と平和の尊さを訴えて、歩いている。
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