pagetop
部落問題資料室
NEWS & 主張
主張

 

戦争への道を阻止し、北東アジアの非核化、
一連の反動法案の成立阻止へとりくもう
「解放新聞」(2006.11.06-2293)

 10月9日、朝鮮民主主義人民共和国(以下北朝鮮)は「地下核実験」を実施したと発表した。私たちは、あらゆる国の核実験に反対するとともに、北東アジアの非核化をめざしてきたが、新たな核拡散や軍拡競争につながる核実験はきわめて残念であり、強く抗議したい。
 14日には国連安全保障理事会で、北朝鮮にたいする制裁決議1718が全員一致で採択された。経済制裁のために、北朝鮮に出入りする貨物検査・船舶検査がおこなわれることが予想され、とくに米軍がおこなおうとしている船舶検査は武力衝突に発展する危険性が高く、朝鮮情勢の緊張が高まっている。
 現在、米軍の船舶検査に自衛隊が参加することが可能か検討されているが、武力衝突に発展する危険性のある船舶検査はおこなうべきではない。強硬姿勢を煽る一部のマスメディアもあるが、万が一、戦争に発展すれば、米軍と協力しようとしている日本も攻撃にさらされることは明らかであり、いまこそ冷静な対応が必要である。

 一方、米国ブッシュ政権は、臨海前核実験を繰り返し、使える小型核爆弾の開発をおこなっている。また、イラク攻撃に象徴されるように、「自衛権の行使」として先制攻撃をおこなうことを方針化し、05年3月に発表された「統合核作戦ドクトリン」では地域紛争での核兵器の使用の可能性にも触れている。米国も核拡散防止条約(NPT)に違反し、非核保有国への核の使用をほのめかし威嚇をおこなっているのである。さらに、核実験禁止条約(CTBT)の批准を拒み、核拡散に手を貸しているのである。そして、イラク、イラン、北朝鮮を「悪の枢軸」とよび、武力攻撃もほのめかし威嚇してきたのである。このような米国ブッシュ政権の戦争政策が、世界を不安定化していることをしっかりと認識しておく必要がある。
 この米国ブッシュ政権に追随してきたのが小泉内閣であり、それを引き継いだのが安倍政権である。私たちは、北朝鮮の核実験を批判するとともに、米国ブッシュ政権の戦争政策を批判し、日本政府が北東アジアの非核化に向け、6者協議の再開と対話の継続のために全力を傾注するよう強く求めるものである。

 安倍政権が誕生し、第165臨時国会が始まった。日本を「戦争ができる国」にするため、「愛国心」教育の強制をめざす「教育基本法」の改悪、米軍再編と自衛隊との一体化に関連する諸法案、先の国会で提出された防衛庁の「省」昇格法案、継続審議中の「共謀罪」新設法案、憲法改悪のための国民投票法案など、与党が成立を図ろうとする法案をめぐり国会の攻防がはじまる。
 戦争への道は人権抑圧、排外主義への道であり、戦争に反対し平和を求める道こそが人権を確立する道であることを確認し、与党の圧倒的多数の国会情勢のなかで、これらの反動法案の成立を阻止するため、幅広い人びととともに共同闘争にとりくもう。

「解放新聞」購読の申し込み先
解放新聞社 大阪市港区波除4丁目1-37 TEL 06-6581-8516/FAX 06-6581-8517
定 価:1部 8頁 115円/特別号(年1回 12頁 180円)
年ぎめ:1部(月3回発行)4320円(含特別号/送料別)
送 料: 年 1554円(1部購読の場合)