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部落問題資料室
NEWS & 主張
実態調査は必要
県が行政責任をはたすために
「解放新聞」(2006.12.04-2297)
 【和歌山支局】2年余をかけて準備してきた「実態調査」の実施を直前に控えた4月、「実態調査は白紙に」との新聞報道がおこなわれた。これは、3月にひらいた県人権施策推進審議会(以下、「審議会」)が「実態調査に反対」という意見書を採択したことを受けて、県が「白紙撤回」を決めた、というもの。県連は、この「審議会」の意見書は事実と異なった認識にもとづく恣意的なものと反論、同時に「新聞報道等」の問題点として見解を明らかにし、県に見解を求めた。8月21日、県当局(県人権施策推進協議会)から「新聞報道の内容について遺憾であり、実態調査は必要である」との回答をえた。

問われる「審議会」の存在価値

 今回の実態調査をめぐって出された「審議会」の意見書は、実態調査は、人権問題の恐れがあり、調査目的も明白でなく、調査員選任や調査手法に問題があるなど、まず反対ありきの内容で、部落問題についてはもういいのではという考え方が見え隠れし、県行政が部落解放同盟にあたかも動かされているというもの。
 県連は、この意見書は、終始、実態調査にたいする誤った批判であり、部落解放同盟にたいする誹誇中傷でしかなく、また、「審議会」委員の部落問題の現状認識や、部落問題解決の方向性に疑問をいだかざるを得ないし、こうした意見書がまかり通る「審議会」の存在価値そのものに疑問を感じる、と見解を明らかにした。
 県当局の見解は、「差別が現存する限り、同和問題を解決するとりくみは行政の責務として積極的に実施する」という部落問題解決および同和行政の基本姿勢・方向と「人権尊重の社会づくり条例」や「人権施策基本方針」をふまえて、県の行政責任として「実態の把握」は必要であるとのべ、「審議会」の意見書を否定したものとなっている。

「審議会」と実態調査

 「審議会」は、県が「人権尊重の社会づくり条例」にもとづいて、02年8月に設置した知事の諮問機関(委員15人)。
 実態調査は、03年、この「審議会」の答申を受けて県が実施を決めたもの。6月の調査実施に向けて、県や市町村での準備がすべて整っていた。

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