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部落問題資料室
NEWS & 主張
人権侵害が増加
就労など厳しい実態も明らかに
福岡・実態調査の結果で
「解放新聞」(2006.12.11-2298)
 【福岡支局】県連は10月17日、解放センターで、県が昨年7~9月に実施した「県同和地区生活実態調査」の報告学習会をひらき、65人の県連・地協役員らが参加。調査結果は、「高齢少子社会がすすみ、就労も常雇が減少し、臨時・日雇が増えるなど、厳しい実態が明らかになった」と報告した。

報告書にたいし
学習とコメント

学習会では、県側から調査報告書「概要版」の説明がおこなわれ、それにたいする現段階での福岡県人権研究所の見解を、西尾紀臣・所長が明らかにした。
 西尾所長は、「事業中心の同和行政から人権一般・啓発教育活動に移行されるなか、市町村の協力を得て県単位で実施されたことを評価し、「調査結果の概要」も大部分がデータに忠実に記述されているが、前回(93年度調査)と比較して、つぎの3点のポイント・特徴を指摘し、今後の行政・運動の課題を提起した。
 ①高齢世帯や単身、少数世帯の増加傾向が顕著であること②就労・自営・農業の経済的側面では「格差社会」の厳しい状況があらわれていること③人権侵害をされたと回答した状況は、減少しているわけではなく、むしろ増加傾向にある。同時に「抗議し公的団体に相談する」傾向も強くなっている。
 今後の課題として①科学的調査の継続②社会格差が広がるなか、「社会的弱者排除の論理」を排除する、福祉政策・施策を実施すること③「人権侵害救済法」の早期成立が必要、の3点を強調した。
 最後に県連の吉岡正博・書記長が「調査結果の報告は出されたばかりだが、実態調査結果はわれわれの武器であり、早急に分析し、課題を明らかにしていきたい。調査で明らかになった課題は全同盟員の課題として、今後の運動に生かしていきたい」とまとめた。

福岡県同和地区生活実態調査と報告書
 今回の調査は、前回実施(1993年)以降の生活実態状況と同和対策事業の効果を科学的に把握し、同和問題解決への今後の課題を明らかにすることを目的に実施し、今年9月に発表された。
 調査報告書は、県内関係市町村66団体中57団体で、無作為に抽出した1737世帯を標本に(回収率90%、1564世帯分が有効調査票)、第1章から第9章の「本報告書」と、第1章から第7章の「概要版」の2種類で、内容は章立てで作成されている。

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