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部落問題資料室
NEWS & 主張
運動再生し、社会的信頼の回復へ
徹底論議し団結固める
部落解放同盟第64回全国大会
「解放新聞」(2007.03.12-2310)
 部落解放同盟第冨全国大会を、3月3、4日、東京・九段会館を主会場にひらき、代議員、中央役員928人が出席。大会では、大阪、京都、奈良で明らかになった一連の不祥事によって戦後最大の危機を迎えた部落解放運動をどう再生し、社会的信頼を回復するのかをめぐり、基調に示された原因の究明と課題の克服へ向けた点に論議が集中した。論議のなかから、部落解放運動がすべての困難を抱えている人たちとともに教育、福祉などの分野や、格差社会の是正でともに闘い、地域―支部段階からあらためて社会的信頼の回復のためにも、さまざまな地道なとりくみを積み重ね、部落解放、人間解放の「よき日」へさらに歩みを強めることを意志一致した。また、異例中の異例、特例中の特例として、一連の不祥事の事態にたいする中央執行部への信を問い、圧倒的多数の賛成の意志が示され、団結してさらに難局を乗り切る決意を固めた。狭山再審闘争でも、100万人署名を早急に達成し、その後、世論をさらに大きく盛り上げるために全国各地で報告集会を持つこと。すべての力を結集し、戦争への危険な道、セイフティーネット切り捨て、格差社会を固定化する安倍政権と対決し、4月の統一自治体選挙、7月の参議院選挙では衆参ダブル選挙も視野に入れながら、政治決戦に勝利することを誓い合った。

提言委を立ち上げ

 大会では大野副委員長が開会あいさつ、司会をつとめた。故高城統制委員長はじめ志半ばで倒れた多くの同盟員にたいし黙祷した。水平社宣言を岸田副委員長が朗読した後、解放歌を全員で合唱、議長団に西藤千代子さん(長野)、下吉真二さん(鳥取)を選出した。
 本部を代表して組坂委員長が、一連の不祥事にたいし、その原因を明確にするためにも「組織の総点検・改革」運動をすすめていること、外からの「提言委員会」を発足させることをのべた。そのうえで、不祥事による部落解放運動の戦後最大の危機にたいして徹底した論議をよびかけた。また、不祥事を口実にした同和行政などの後退を許さないことを明確に語った。さらに、「人権侵害救済法」の制定、狭山再審へさらにとりくみを強化すること、4月の統一自治体選挙、7月の参議院選挙で人権・平和・環境・民主主義で心を一つにする人たちの当選をかちとろう、と訴えた。
 来賓あいさつでは、岩永峯一・自民党(衆議院議員)、西博義・公明党(衆議院議員)、小川敏夫・民主党(参議院議員)、保坂展人・社民党(衆議院議員)、高木剛・連合会長、森嶋正治・中央共闘議長、中山武敏・狭山弁護団主任弁護人から、それぞれ激励と祝辞をいただいた。
 来賓紹介の後、松岡克己・大会運営委員長が大会の成立を宣言。石川一雄、早智子さん夫妻が狭山再審闘争のいっそうの支援を訴えた。
 その後、一般活動報告を谷元中央書記次長がおこなった。
 午後からは、財務・会計決算報告を吉田中央財務委員長が、会計監査報告を篠原中央会計監査委員が、中央統制委員会報告を垣本中央統制委員長代行がそれぞれおこなった。
 また、提案事項として一般連動方針案を松岡中央書記長が、財務・会計予算方針提案を吉田中央財務委員長がおこなった。
 午後3時半から3分散会場で連動方針案などをめぐって討議をおこなった。

中央執行部を信任

 2日目は、前日の討議をもとに各分散会の報告がおこなわれ、つづく全体討論では大分、福岡、奈良、大阪の4代議員が①一連の不祥事をめぐるそれぞれのとりくみ、克服の課題②狭山再審のとりくみ③統一自治体選挙、ダブル選挙もありうる7月の参議院選挙での勝利を④組織、財政、人材育成、などで意見を出した。
 これらの討議を受けて松岡中央書記長が本部答弁と集約に立ち、中央執行部の一連の不祥事にたいする責任のあり方や諸課題について本部の考え方を示した。
 採決に移り、報告事項、提案事項をそれぞれ賛成多数で採決した。また、中央執行部にたいする信任についての提起を組坂委員長がおこない、圧倒的多数で信任を採択した。
 大会スローガンを確認した後、福田中執が統一自治体選挙と参議院選挙の勝利にむけた決議、西島中央書記次長が大会宣言を読みあげて提案、採択された。
 議長団退任あいさつにつづき、松本副委員長が閉会あいさつ。組坂委員長の力強い団結ガンバローで2日間の大会を終えた。

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