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部落問題資料室
NEWS & 主張
外相に委員長が
スリランカ和平へ要請書手渡す
「解放新聞」(2007.04.16-2315)
 組坂委員長は、3月29日夜、外務省に麻生太郎・外務大臣を訪ね、スリランカ和平実現に向けて日本政府の積極的関与を求める要請書を手渡した。この要請は、第7回IMADR総会をインドのチェンナイで開催したおり、スリランカのNG0代表から「内戦の終結と平和構築の実現に向けて日本は最大の経済支援国であり、和平実現に積極的に関与してほしい。みなさんとともにとりくみ、和平を実現したい」との訴えがあった。総会の場で組坂委員長はその趣旨をふまえ政府・外務省への要請をおこなうことを表明していた。
 今回の要請は、「スリランカ平和構築に関する要望書」となっており、部落解放同盟とIMADRの連名の要請書となった。この問題の根底には、多数派による少数派住民への抑圧という問題がある。紅茶畑で働く多くのタミル人は、英国植民地時代にインドからつれてこられたルーツがあり、独立後も市民権が与えられなかった。本格的な内戦が始まってすでに25年がすぎた。

「政府の努力を」と要請
NGO・市民活動の保護など

 麻生外相への要請書では統一国民党政権が去ったあとのシンハラ民族至上主義の台頭による民主主義破壊への脅威を指摘、12万人が国内難民になっており国外にも多くの難民が生まれている現状がのべられている。2002年の停戦合意後での平和構築へ多くの人たちの努力が続けられていたなか、2004年にはインド洋大津波に襲われた。これまで日本政府は平和構築へ向けて中心的役割をはたそうとしてきた。いま、ふたたび内戦が再燃するきざしをみせているなかで要請書では、この停戦合意を守り、平和構築に向けて日本政府がさらにその責任を果たすよう努力してほしいという内容。
 具体的には、スリランカのNGOや市民社会の活動が脅迫や暴力から保護されるようにスリランカ政府への要望を求めるとともに、国際監視を強化し国連・高等難民弁務官事務所(UNHCR)の活動拡大にさらに支援をするように求め、現在開催されている国連人権理事会第4会期で、その必要性に言及をするよう求めている。
 組坂委員長はこの日、「IMADRの代表がスリランカの弁護士、ニマルカフェルナンドさんということもあるが、アジアの平和、世界の平和のための一歩に部落解放運動が貢献する行動の証としておこなった」とのべ、これからもひきつづき関心を寄せていくとのべた。

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