【広島支局】「語り継ごう、わたしの生きてきた道」をテーマに、広島県識字経験交流会を、2月24,25日、世羅町せら文化センターでひらき、識字運動と青年たちが交流を深めた。
今回は、みずからの生きざまをとおして部落差別の実態を明らかにしてきた識字運動を、混迷する格差社会のなかで生きる青年たちとともにつくりあげていこうと企画した。
集会では3本の実践報告をおこなった。
東部協女性部は、女性部解放学校で創作した構成詩「今を生きる、未来(あす)を生きる」を熱演。県東部の識字運動で生まれた詩のなかから、出演者とゆかりの深いものをとりあげ、闘いの歴史を織りまぜて朗読した。
呉市協女性部は、これまで2回上演した構成詩「私たちの手で創造しよう!識字と文化」を、さらに練り上げて発表。識字生が支部の歴史に自分史を重ねて綴る葛藤の場面や、寺による差別、盆踊りをめぐる闘いなどを盛り込んだ。
県連青年部は、昨年の全青で報告した被爆証言フィルム「過ちをふたたびくりかえさないために」を上映。「記録にとどめず記憶に刻みたい」と、夏の平和公園をともに歩きながら部落差別と被爆の実相を語った下原隆資・元県連副委員長とのかけがえのない1日を映像化したもの。
夜は、少グループにわかれて「解放運動夜話」。女性たちと青年が車座になって、支部発足前史や識字学級の思い出、被差別体験をのりこえてきた知恵などを語った。部落には、識字学級で学ぶことを選択できなかった多くの男性がいる。文字を書くことのできない連れ合いと懸命に生き抜いてきた女性たちのしぼるような言葉が、青年たちの背中を押した。
閉会のあいさつで広中恵美子・県連女性部長は、「不登校の児童・生徒が激増している今、識字運動で検証されてきた課題が大きな意味をもつ時代になろうとしている」とのべた。
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