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部落問題資料室
NEWS & 主張
悪質な差別落書
殺人を予告し煽動も
特定の個人・団体を名指しして
「解放新聞」(2007.05.14-2318)
 【滋賀支局】特定の個人・団体を名指しし、「殺せ」「銃殺刑二処スル」などと書きつらねる悪質な差別落書が、2月、近江鉄道愛知川駅とJR草津駅のトイレなどで連続して発生した。差別落書の内容から、昨年のJR草津駅や近江八幡駅のトイレで発見されたものと同様、部落差別だけでなく在日朝鮮・中国人への差別と、殺人の予告や殺人の煽動を目的にした悪質な点など、共通する部分が多くみられる。これら多発する差別落書にたいしてJR京都支社、県行政、県連などで構成する滋賀県1R線人権啓発推進連絡会は、3月6日、県厚生会館で「差別落書に学ぶ」と題して花園大学文学部教授の八木晃介さんを講師に学習会をひらいた。

鉄道沿線で多発

 差別落書は、2月13日午後4時45分ごろ、近江鉄道愛知川駅コミュニティセンター男子トイレの個室内のタイル壁面に「非人の子孫」「機関銃で射殺スル」などと悪質な差別落書が発見された。
 また、2月24日午前4時20分ごろ、JR草津駅改札口内の男子トイレで差別落書を発見。見つけたのは駅構内を巡回点検していたJR社員で、ただちにJR西日本での差別落書発見通報マニュアルにそって草津市役所に通報するとともに、写真撮影するなど差別落書を記録し、器物損壊事件として鉄道警察隊にも通報。その後、警察の現場検証、草津市行政の立ち会いのもと消去した。
 差別落書は、解放同盟員、創価学会員、日教組教師、在日外国人、HIV感染者など特定の団体や人びとにたいして「機関銃ニヨル銃殺刑二処スル」と書くなど、きわめて悪質な内容。
 県連は、今後、関係機関などと連携しながらとりくみをすすめていく。

差別落書に学ぶ
滋賀JR線人権啓発推進連絡会が学習会で

 学習会には、市町行政、機関団体から50人が参加、差別の実態の共通認識を深め、ますます悪質化していく差別落書が生まれてくる背景を学習した。
 八木さんは、人間は、差別したり差別されたりする存在である。弱き・醜さから自由な人間はいない。日常のなかで差別は存在している。そこで差別と出合ったとき、「異議申し立て」をすることから差別との闘いがはじまる。この「異議申し立て」がその場でできるかどうか人間の資質が問われる。「異議申し立て」が当然のこととして是認さ
れるのが人権文化社会である。私たち1人ひとりの差別との関係性を常に確認しながら「異議申し立て」のできる「私」を、豊かな人間関係を構築しながら確立しよう、と話した。

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