【滋賀支局】「あんたはエッタや」と、昨年5月7日に発生した県立養護老人ホームさつき荘入所者による差別発言事件(別項)の第1回対策会議を2月5日、(財)滋賀県人権センター会議室でひらき、関係する市町行政・県行政など関係者が出席して今後のとりくみについて協議した。
対策会議で今後のとりくみを協議
対策会議では、調整会議を組織して事実確認と4回にわたる会議で、一部で事実確認が不十分な部分もあるが、当事者が高齢で病気がちである点などもふまえて聞き取りを終了して一定のまとめとしたことが報告された。
その後の協議で、①事件発生後、当該行政への連絡がおくれたことから、連絡、通報システムを確立することの必要性②入所者が高齢で病気がちの人が多いため、同様の事件が発生した場合の事実確認、その後の精神的ケアなど、総合的なとりくみを検討するために、専門家も交えた研究チームの立ち上げの必要性③他の施設でも、同様の事件が発生しているかもしれないが、職員が気づかない、施設内だけで処理している、などの問題もある。そのためにも県内の全施設にたいする研修と発生した場合の通報を徹底すべき、などの意見がでた。
最後に、高齢化社会のなかで、高齢者福祉施設(老人ホーム、デイサービスセンターなど)で同様の事件が多発する可能性もあり、各行政から今回の事件から何が課題として提起されているか分析・検討して見解書として提出することを確認して終了した。
差別発言事件の概要
2006年5月7日、さつき荘のリハビリ室で入所者のAさん(79歳)とBさん(71歳・被差別部落出身者)が口論となり、職員2人が制止したものの、2人とも興奮し激しいいい争いになり、AさんがBさんに「あんたはエッタや」と発言した。
これにたいしてBさんは「何で差別的な言葉を使うんや。こんな言葉をここでいってここに居られるとおもうのか」とAさんに激怒した。
Aさんは「この言葉は私がいったのではなく、Cさん(70歳)が以前に「わしは都会のエッタで、Bさんは田舎のエッタ」といったので、そのことをいっただけ」と反論した。
現場にいた職員が、Aさんにたいして「差別発言は許されない。謝罪すべきだ」と指導し、ただちにCさんをよんで状況確認をおこなったもの。
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