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部落問題資料室
NEWS & 主張
主張

 

「人権のまちづくり」運動をすべての
地域で具体的に推しすすめ、
部落解放運動の真価を発揮しよう
「解放新聞」(2007.05.28-2320)

 第60回全国大会で、「「人権のまちづくり」運動推進基本方針」を決定してから、すでに5年目になる。部落解放連動の今日的な最重要課題として位置づけ、各都府県連・支部段階で運動方針のなかに具体的な提起をしていくことが重要である。
  「人権のまちづくり」運動の名称は、全国的な統一したいい方であって、抽象的にならざるを得ないが、支部段階では地域特性ととりくみ課題を具体的にイメージすることができるような独創性を発揮して、「まちづくり」の名称を工夫する必要がある。
  とくに、「人権のまちづくり」運動の主眼は、差別克服への重要なとりくみである「人と人との関係づくり」にあることを重視して、福祉・教育・仕事分野などの生活圏域で部落内外を問わず困難を抱えた人たちの課題を発見し解決していく協働のとりくみを通じて、「人づくり」「関係づくり」をしていくことにある。
  「人権のまちづくり」運動は、自治体の「差別撤廃・人権条例」の制定や活用、「人権教育・啓発推進法」の具体化、「地域福祉計画」の策定・活用などを通じて、身近なさまざまな日常課題を解決していく「世話役」的活動であり、誰でも楽しく参加することができる運動としてすすめていくことが肝心である。

 部落解放運動としては、この「人権のまちづくり」運動を中心としたとりくみを積極的に推進することで、「人間を尊敬する」ことを基軸にして従来の差別的関係を豊かな人のつながりに結び変えていくことをめざしている。そのとき、「部落問題解決の仕組みをすべての困難を抱えた人たちの問題解決につなげる仕組みとして押し出す」という姿勢を堅持することが不可欠である。また、「人権課題の解決のための各種事業を総合的におこなう」ことを設置運営目的とした隣保館を「人権のまちづくり」の拠点施設として活用していくことが求められている。
  昨年の一連の不祥事で大きく失墜した部落解放運動の社会的信頼は、地域からの目に見える具体的なとりくみを通じて回復する以外に道はない。「人権のまちづくり」運動は、それにふさわしい格好のとりくみであり、目的意識的にすべての支部・地域でのとりくみが展開されなければならない。

  「人権のまちづくり」運動の具体化のために、今年度は6月末には「まちづくり」の手法やNPO法人のあり方などの検討を中心に「人権のまちづくり実践講座」、12月には各地の「まちづくり」の経験を共有するため「全国交流集会」開催の準備をすすめているところである。中央本部・都府県連段階で「人権のまちづくり運動推進本部」を常設するとともに、支部段階でも可能なところから体制整備のとりくみをすすめてもらいたい。
  「人権のまちづくり」運動を実践的に展開するなかで、部落解放運動の「やさしさと底力」を発揮し、部落解放運動再生へのたしかな歩みをつづけよう。

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