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部落問題資料室
NEWS & 主張

石見銀山と部落問題で提起
「再生産防止へ体制強化」と大田市

「解放新聞」(2007.06.04-2321)
 【島根支局】大田市がすすめる石見(いわみ)銀山遺跡の世界遺産登録のとりくみにかかわって、県連は、5年前 から石見銀山遺跡と部落問題のかかわりを問題提起し、差別の再生産につながらないとりくみを求めてきた。しかし 、ここにきて部落を特定する出版物の発行や、史実にもとづかない興味本位の看板設置、パンフレット作成配布など の問題が明らかになった。

市と交渉を重ね

 県連は、大田市と交渉を重ねるとともに、昨年6月には中央本部の谷元書記次長も加わり、県行政に申し入れをおこなってきた。
  これまでの石見銀山遺跡の世界遺産登録へのとりくみについての交渉では、市側が、平和と人権を精神とする「ユネスコ憲章」や「世界遺産条約」の精神に則ったとりくみの不十分性にふれ、「石見銀山遺跡の世界遺産登録に当たって、市および県の組織全体が同和問題の認識を深め、共有するよう不断に努力を傾注し、課題の解決に資するようとりくんでいく」ことを表明した。
  また、石見銀山遺跡にかかわる今後の歴史調査のなかでも、被差別部落史の調査研究のあり方も検討していくこと。さらに調査研究のなかで生ずる懸念のある差別問題を防止し、史資料の活用を通じて部落問題の解決に資するとりくみを約束した。
  4月12日、大田市役所でおこなった第5回交渉で、竹腰創一大田市長が、新年度から組織体制の強化の具体的なとりくみを示し、「行政全体に同和問題を解決するというシステムを確立する」と決意をのべ、「大田市における今後の同和行政の取り組みについて」の回答書を受けた。
  石見銀山遺跡は、2001年に世界遺産暫定リストに登載、2006年に世界遺産登録推薦書をユネスコに正式に提出、今後は世界遺産委員会で世界遺産一覧表記載の可否が決定される。

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