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部落問題資料室
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人権市民会議の再発足を支え、
人権の法制度確立へ努を重ねよう
「解放新聞」(2007.06.04-2321)

 6月2日に人権市民会議が再発足した。人権市民会議は、昨年の3月に「人権の法制度を提言する市民会議」として発足し、12月に「日本における人権の法制度に関する提言」を公表して、予定されていた本来任務を終えて解散した。
  しかし、この「提言」作成にかかわった人たちはもちろんのこと、「提言」を読んだ多くの人たちから、この活動を継続する必要がある、との強い要望が寄せられ、継続に向けた準備討議と作業が続けられてきた。
  再発足した「人権市民会儀」は、「提言」に示された人権に関する法制度をさらに具体化・豊富化していくことを目標にしながら、活動を展開していくことが確認されている。具体的には、つぎの6点を「組織の趣旨・目的」に掲げている。
  ①さまざまな人権課題にとりくむ個人や団体のネットワークを維持・拡大する。
  ②さまざま人権課題を横断した活動をおこなうことによって、人権運動の「縦割り化」の解消を図る。
  ③声をあげにくいマイノリティ当事者の意見を集め、多くのマイノリティ当事者との連携を図る。
  ④旧・人権市民会議の「提言」を広めるとともに、その内容をさらに深める。
  ⑤国内人権機関の設置が国会で審議される場合など重要な機会に、旧・人権市民会議の「提言」をベースに人権市民会議のメンバーで議論を深め、意見を形成し、これを公表する。
  ⑥日本国内の人権運動と東アジアの人権運動の連帯を促す方向で活動する。

 人権市民会議は賛同する人はだれでも参加できる、というひじょうに緩やかな組織形態をとっている。「活動の内容」としても情報の収集と発信ということを中心にしながら、つぎの5点を柱にしている。
  ①人権市民会議の「提言」を周知・広報するために、公開講座やシンポジウムなどのアピール活動を適宜おこなっていく。また、「提言」を分かりやすく解説した冊子や、人権に関する平易な解説書などを作成・頒布する。
  ②かりに政府が国内人権機関の設置法案を提出した場合は、それにたいするNGOサイドからの対応の結集軸となるよう、アピール活動をおこなう。そのさい、人権市民会議の「提言」が各人権NGOの共同綱領となるように、引き続き「提言」のブラッシュアップに努める。
  ③人権課題ごとの実態や問題点に関する情報を共有するために、公開の研究会をひらき、人権NGOのメンバーや人権問題に関心を寄せる学生・市民などの参加を広くよびかける。
  ④学生や院生を中心とするプロジェクトチームをつくり、人権問題に関する実態調査や聞き取り調査などをおこなう。
  ⑤人権にかかわるNGOや個人間の協働を活性化するために、メーリングリスト上での情報交換や討議を活発におこなうとともに、ホームページやメールニュースを活用して、積極的な情報提供や働きかけをおこなう。

 私たちが求めている「人権侵害救済法」制定の厳しい状況をみるとき、人権市民会議の再発足と活動再開は、心強いかぎりである。
  私たちは、この人権市民会議の活動を支えるということだけではなく、一人ひとりが自発的に、積極的に参加するなかで、現場からの本当に必要な人権政策についての意見表明をおこない、「提言」の中身をさらに深めていく努力をし、日本での人権の法制度を確立していきたいと考えている。
  同時に、他のさまざまな差別問題・人権問題と部落問題解決の課題とを具体的に結びつけていく真撃な営みを通じて、対等で横断的な反差別運動構築への実体と内実を創り出していきたい。建前や理念だけではなく、さまざまなマイノリティの人たちや多くの仲間たちと「本当につながりあえるのか」ということを、同盟員一人ひとりが真剣に模索・追究していくことが問われている。

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