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部落問題資料室
NEWS & 主張
社会変革をすすめる運動を
ヒューマン劇も上演、反響よぶ
「解放新聞」(2007.08.06-2330)
 【京都支局】部落解放研究第21回京都府集会が6月9日、宇治市文化センターでおこなわれ、府内各地から750人が参加した。
  主催者を代表して部落解放・人権政策確立要求京都府実行委員会の坂井東洋男・会長(京都産大学長)が、「「人権侵害救済法」制定のためには、各界のみなさんの合意形成が不可欠であるという認識にたち、今後さらに活動の強化につとめていく」と、あいさつした。
  西島藤彦・事務局長(府連書記長)は、「社会的弱者にたいする人権侵害が増加している。身元調査を許さないためにも就職差別禁止法制定などを視野に入れながら、社会の変革をすすめる運動をすすめていかなければならない。「人権侵害救済法」の制定は、日び、差別・人権侵害で苦しんでいる多くの人たちにとっての切実な要求であるということを忘れてはならない」と基調提案した。
  記念講演は、外国人労働者とその家族の人権を守る関西ネットワークの代表で、国籍条項の撤廃、人種差別撤廃条約の実現のために活動してきた丹羽雅雄・弁護士が、「歴史から学ぶことが人権問題の鉄則。日本は、人権理事国にはなったが、人種差別撤廃条約の批准は140数番目であり、障害者差別禁止法などすぐに署名すべき(日本は現在、アジア人権フォーラムにも参加できない状況)。今後、社会的マイノリティーを中心にしてNGOやNPOと協働し、ネットワークを拡大して人権文化の社会をつくりあげていく。それが原動力になる」と講演した。
  午後からは、京都でおきた結婚差別事件をもとに制作されたヒューマン劇「もうひとつの卒業式」を上演した。見終わった参加者からは、「文化活動を通じた啓発こそが、深く人の心をうつ」「感受性の強い小中高校生にも見せてあげたい」などの感想が寄せられ、反響をよんだ。

仲間と再演したい

 「もうひとつの卒業式」は脚本を書いた前田和紀さんが舞台監督、安田茂樹・府連書記次長のプロデュースで、出演者やコーラス、スタッフは同盟、解放共闘からの仲間。稽古は大変だったようだが、努力そのものが劇にあらわれた、すばらしいものになった。
  脚本・演出をした前田さんは、「この劇というフィクションの世界の完結は、きっとリアルな現実の世界で、成し遂げないといけないような気がしたからです。もっともっとたくさんの人に見て欲しいし、この仲間たちとともに再演したい」と語った。
  また、結婚差別をうける美由紀役を演じた善法支部の小山智子さんは「美由紀になりきった。美由紀のつらさを感じるとともに、今後、自分自身にも想定されることから、強くならなければと思った」とコメントした。

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