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部落問題資料室
NEWS & 主張
支部事務所の使用求め提訴
大阪市を相手に府連4支部が
「解放新聞」(2007.08.13-2331)
 【大阪支局】「人権文化センターは差別撤廃の拠点」。府連は7月9日、浪速区の大阪人権センターで「人権文化センター(旧解放会館)の発展を求める大阪集会」をひらき、各支部、解放共闘、関係行政などから200人が参加。大阪市の一方的な支部事務所使用不許可にたいし、人権文化センターに支部を置く生江、住吉、西成、平野の4支部が、「人権文化センター使用不許可処分取り消し」を求めて7月2日に大阪地裁に提訴したことや、今後の人権文化センターの活用などについて意見交換をおこなった。

裁判に踏み切る

  集会では、主催者を代表して北口末広・府連書記長が、「支部事務所退去問題は4支部だけの問題ではなく全国にも影響する。同和行政の後退に歯止めをかけるためにも裁判に踏み切った」とのべ、大阪市の同和・人権行政の後退を厳しく批判した。
  大阪市内には、現在12の市立人権文化センターがあるが、そこに解放同盟支部事務所を置き活動を展開してきた。しかし、昨年の「飛鳥会」事件を契機に大阪市が設置した「地対財特法期限後の事業等の調査・監理委員会」は、歴史的経過を無視し「広く市民を対象とする施設に特定の団体が事務所を置くのは不適切」と支部事務所の退去を提言し、一方的に使用不許可を通知してきた。

経過と争点を

  赤井隆史・府連書記長代行が、これまでの経過を報告した。
  ①1965年の同和地区における隣保館(市民館)の建設運営に関する中間答申で、「住民の自主的な組織の拠点」「本来は地区住民の自主的運営に委ねられるべきもの」としており、地区住民の自主的組織が隣保館運営に欠かすことのできない団体であったと指摘。
  ②2000年の人権文化センター条例改正で解放会館から人権文化センターへ名称変更のさい、大阪市と使用許可の契約を結び、使用料も減免制度を活用しつつ(06年廃止)社会性をもって対応してきたこと。
  ③今回の問題は歴史的経緯を無視し、一方的に退去を求める大阪市の乱暴な手法こそ批判されるべきであり、使用料を受けとらない大阪市にたいして、法務省に供託せざるを得ない現在の状態を「不法占拠」と断定する一部の考えは容認できないし、許しがたい誹誇中傷だ。
  ④今後のセンターの役割は、人権を柱とした地域コミユニィティセンター、さらにNPOなどボランティアグループの活動促進の場とすること。支部事務所はその先駆けとしての役割を果たしてきたのであり、参画と協働によるまちづくりの拠点、生涯学習の場、市民交流の展開などが今後の人権文化センターの中心的な役割となるべきだ、と強調した。

シンポジウムも

  集会では、続いて「人権文化センターの発展を求めて」をテーマに、中川幾郎・手塚山大学教授、丹羽雅雄・弁護士、平澤徹・府連住吉支部相談役、北口末広・府連書記長らによるシンポジウムをおこない、裁判支援やNPO団体、市民団体との幅広い連携を求めていくことが確認された。
  とくに丹羽弁護士は、裁判の争点を説明し、「解放会館条例から人権文化センター条例に名称変更したさいに主たる設置目的は、解放会館条例を継承しており「歴史的社会的理由により生活環境などの安定向上を図る必要がある地域の福祉向上」を掲げている。大阪市は使用不許可処分について「広く一般の利用に供する市民利用施設」としているが、条例の設置日的からは導くことができない不当、違法な不許可理由であり、違法無効の使用不許可処分となる」、とのべた。

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