pagetop
部落問題資料室
NEWS & 主張
主張

 

滋賀全青に結集し、
運動の進化を青年の力で
「解放新聞」(2007.08.20-2332)

 部落解放第51回全国青年集会を、8月25日からの2日間、滋賀県米原市の米原公民館を主会場に開催する。1958年の第2回いらい、2度目の開催となる滋賀県での全青は、「青年の力で運動を進化させよう!「人権・平和・環境」を基軸にした部落解放運動を全青から発信しよう!」をスローガンにおこなう。まさに部落解放同盟が組織をあげて全国で組織総点検・改革運動にとりくんでいるときである。集会に参加する一人ひとりが、日頃の活動や生活をもとに、部落解放運動、部落解放同盟組織、部落出身者それぞれについて、みずからが考えるこれからのあり方をもち寄ってほしい。
  また、今回から全青を2日間開催とした。例年、1日をとっておこなっていた分科会を、前半と後半の2日にわたっておこなう。時間が限られるが、これまで以上に集中した参加を準備しよう。

 部落差別は見えにくくなったといわれる。たしかに、前回の滋賀全青の時代と比べると、運動は大きく前進し、部落の環境改善はすすんだ。100万人署名達成へ北海道や東北、沖縄の「狭山住民の会」が貢献しているように、解放運動の裾野は広がりをみせている。
  しかし、差別が根絶されたわけではない。新たな「地名総鑑」と「電子版・地名総鑑」の発覚や、インターネットで繰り返される差別事件が、部落差別がより巧妙になっていることを物語る。「なお残された課題」とされる就職差別や結婚差別は、青年に直接かかわる重大な問題だ。社会も様変わりし、ネット社会、少子・高齢化社会、人口減少社会となっている。ニートやフリーター、ワーキングプアなど、新たな社会問題もあらわれている。さらには格差社会の進展が社会不安を増大させている。
  こうした変化のなかで立ちあらわれてくる部落差別に直面するのもまた、青年である。だからこそ青年には、いまここにある部落差別と闘う力を育ててほしい。今われわれは糾弾闘争を、部落差別によって断たれた人と人との関係を再びつなぎなおし、豊かに広げていく営みと成すために、その理論を鍛え、技術を磨かなければならない。そうした実践を通じて、青年は日常的に出会う部落差別を乗り越える言葉を獲得しなければならない。

 「同和対策事業特別措置法」終了から5年、部落解放運動は大きな節目にある。「戦争のできる国づくり」がおしすすめられるなかで、部落解放同盟への攻撃がはじまって、いることに警戒を怠ってはならない。そして同時に、運動に連帯する多くの団体や個人から信頼を失った一連の不祥事にたいして、徹底した点検と改革が求められている。そのさい、青年の若い感覚と運動への情熱が、大きな役割を剋たすものと確信している。
  第51回全青では、青年がみずからの言葉で運動を語り、部落解放への思いと知恵をもち寄ってほしい。全国の青年の結集で、部落解放運動の進化を生みだす全青にしよう。

「解放新聞」購読の申し込み先
解放新聞社 大阪市港区波除4丁目1-37 TEL 06-6581-8516/FAX 06-6581-8517
定 価:1部 8頁 115円/特別号(年1回 12頁 180円)
年ぎめ:1部(月3回発行)4320円(含特別号/送料別)
送 料: 年 1554円(1部購読の場合)