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部落解放第39回全国高校生集会を、9月22日からの2日間、埼玉県狭山市の狭山市民会館を主会場にひらく。
これに先立ち、8月4、5日に全国高校生活動者会議をもち、今夏の集会に向けての意志統一と日ごろの各地での活動の交流をおこなった。会議では、各地のとりくみの成果と課題について報告がおこなわれるとともに、参加者それぞれの思いや悩みなどが語られた。そうしたなかで、埼玉全高の成功と、これからの高校生活動の活性化に向けて意見が交わされ、集会スローガンは「すべての仲間と解放連動を! わたしがやらなきや誰がやる!!」に決まった。
今年は2日間の開催と変則の集会となるが、例年以上に意義深い集会となるよう、各地の活動報告をはじめ多数の高校生の声を届けてほしい。
活動者会議では、高校生友の会や解放研で、学習会や集会の開催、子ども会の指導、狭山23デーの情宣活動、「日の丸・君が代」反対キャンペーンなど、高校生自身の問題意識や各地域の状況をふまえて主体的にさまざまな活動を展開していることが報告された。一方で、こうしたとりくみについて、同じ高校生の理解や参画が思うように得られていないことが共通する悩みであり、「仲間づくり」が課題としてあげられた。このことは何も高校生活動に限らず、部落解放運動をはじめ、今日あらゆる社会運動に共通する課題であるが、こうした現状を打開していくために、高校生自身のモチベーションを高めること、主体性を発揮すること、いまだからできることなど、思い思いにのべあい、言葉として紡ぎ合わせたものが、先に紹介したスローガンである。
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将来への不安や人間関係に悩む多感な時期にある高校生が、自身に襲いかかった部落差別をはじめ差別の不当性や、さまざまな社会矛盾について公に訴えることは、大きなためらいと多大な勇気をともなうことは想像に難くない。
しかし、部落差別の撤廃をはじめ社会の不条理を変えていくためには、それに気がついた者が、その時どきに勇気を出し、声をあげていくことが必要であり、そうした問題を告発し、正義を訴える者を支え、励まし、行動をともにする仲間の存在が重要となる。
各地の高友活動や部落研活動のなかで、差別にたいして一人でも抗える個個の力を高め、そうした個人を支える仲間づくりにとりくもう。
小西清則・全同教前委員長のインタビュー(『解放新聞(2328号)』)のなかで、部落研活動にとりくむ同級生の存在を思い、企業面接の場で闘い抜いた高校生についてのエピソードが紹介されている。ぜひ、一読してほしい。正義を訴える高校生の活動は、正義を信じる仲間にはかならず届いている。
「一人は万人のために 万人は一人のために」は、狭山闘争の合言葉でもある。
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最後に、第39回埼玉全高には、日頃の各地でのとりくみの成果と課題をもちより、交流と議論を深めてもらいたい。
そして、部落差別をはじめあらゆる差別の撤廃と人権問題の解決に向けて闘う多くの全国の仲間の存在を確認してもらいたい。
そして、それぞれが全高で得た成果を地元に持ち帰り、各地の部落解放運動のなかで行動に移し、高校生活動の活性化をはかっていこう。
第39回埼玉全高を成功に導き、全国の高校生の新たな飛躍の粉とするために、各都府県連・支部からの積極的な参加を期待する。
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