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部落問題資料室
NEWS & 主張
主張

 

提言委員会の動向に注目し、組織総点検
・改革運動を強力におしすすめよう
「解放新聞」(2007.10.08-2339)

 3月に発足した「部落解放運動に対する提言委員会」(座長・上田正昭京都大学名誉教授)は、精力的な議論を重ねながら、現在は最終的な提言起草の作業に入っている。
  9月10日、京都でひらかれた第5回提言委員会では、小委員会(沖浦和光・小委員長)によって論点整理をおこなったうえで起草された「部落解放運動への提言―一連の不祥事の分析と部落解放運動の再生にむけて(第1次素案)」が提示され、論理構成、分析視点、文章表現、提言内容など細部にわたり熱心な意見交換がおこなわれた。第1次素案に関する議論をうけて、9月21、22日に第3回小委員会がひらかれ再度案文起草をし、10月15日の第6回提言委員会に「第2次案」が提出されることになっている。また、提言委員会のジェンダーバランスから補強する意見が出されていたが、新たに福田雅子(元NHK大阪放送局解説委員)さんと中川喜代子(奈良教育大学名誉教授)さんの2人が加わり、15人体制で運営がなされている。
  今後は、11月28日に最終の提言委員会がひらかれて、12月の上旬には部落解放同盟中央本部に「提言」が渡される予定である。同時に、記者会見がおこなわれ提言趣旨が上田座長から説明され、公表される。

 これまでにも何度か言及してきたように、「提言」内容は、部落解放同盟にとって当然のことながら身を切られるような厳しいものになる見通しである。部落解放運動を長年にわたって真剣に支えていただいた各委員の思いからすれば、いいたいことが尽くせぬほどであろうと推察される。それほどまでに、一連の不祥事は痛恨の極みであった。
  私たち部落解放同盟が、この「提言」を真正面から受けとめ、真剣な内部議論を重ねながら、来年の全回大会での運動方針に誠実に反映させて、全同盟員一丸となって部落解放運動再生へのねぼり強い実践を開始しなければならない。それが、多忙な身にもかかわらず、寝食を忘れて真剣に提言をまとめていただいた提言委員会の皆さんの誠意と熱意に応えることである。
  私たちも「提言」が出されるのを待つことなく、みずからの主体的責任で組織の総点検・改革へのとりくみを昨年から継続してきている。2000余支部で、「組織総点検・改革」運動の趣旨は徹底されてきたと判断しているが、全支部員までにいき渡っているかといえば、率直にいって、まだ不十分である。都府県連段階に支部の代表者が集まっての議論はおこなってきているが、都府県連幹部やオルグ団が各支部・各地域に出かけていって、議諭し支部活動の実情を把握する状況にはなりきれていない。

 10月末までに全都府県連でひらく予定になっている「都府県連別支部活動者会議」は、香川県連を皮切りにとりくまれてきているが、いまだに開催日程が決まっていないところもある。5月の第1回中央委員会で決定した、支部からの組織総点検・改革運動の具体的なとりくみ報告をベース七て意見を交換する、という支部活動者会議の持ち方が十分に取り入れられていないところもある。組織総点検・改革運動が支部段階まで着実に実践されているかどうかを判断するとりくみであることを考えれば、今後ひらくところではさらに今回の支部活動者会議が有効に設定され、熱心な意見交換ができるように周到な準備を要請しておきたい。
  提言委員会の議論の動向を注意深く見守りながらも、どのような「提言」が出されようとも、これにたいする部落解放同盟の主体的な判断と責任でしっかりと議論をおこない、改革への具体的な実践に踏み切ることができるように、「提言」に先行するとりくみを実質的におこなっていくことが重要である。
  部落解放運動の一日も早い再生に向けて、都府県連別支部活動者会議の完全実施と組織総点検・改革の絶えざるとりくみを「一人立つ活動家」として、支部員一人ひとりがねぼり強く実践していくことを心から期待したい。

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