【香川】「部落解放・人権政策確立」要求07年度県内「網の目」行動の一環として香川県との意見交換会を10月18日午前、高松市内のルポール讃岐でおこない、①県内の部落差別の実態調査②職員研修と同和行政推進体制および窓口③企業の社会的責任としての人権意識の向上へ人権もふくめた総合評価の導入など④新設された総合人権相談窓口の機能や課題⑤就労支援事業など労働行政⑥教育動向と県高校奨学金を柱に話し合った。実態調査では、「実態把握の必要はある」としながらも、把握の手法については「来年には結論をだす必要がある」とし、手法について引きつづき協議することになった。企業の社会的責任として総合評価の導入と、その一つの柱に人権を位置づけることについても、入札参加資格審査申請要領、申請書は県統一の様式であることからも、引きつづき協議をすすめることとした。
「網の目」行動で意見交換会
出席したのは、県から真鍋武紀・知事、高木孝征・副知事(人権・同和政策本部長)、尾崎猛・総務部長(同副本部長)など38人と、部落解放同盟から岡田健悟・県連委員長はじめ80人が参加した。
県連では、部落解放・人権政策確立要求07年度県内「網の目」行動を8月20日から9月6日まで県内各市町で展開してきた。今回の県との意見交換会は、これらのとりくみをふまえておこなったもの。
岡田委員長は、「網の目」行動でわかってきたこととして、市町は基本的なこともできないほど、いっそう厳しい財政状況にあり、このことをふまえた財政措置が必要。差別の実態や実情にてらして同和行政を推進することの重要性を強調。
真鍋知事も、基本的人権の侵害があとを絶たず、今年にはいっても県庁舎のトイレに2度も差別落書がおこなわれる(2324号、2340号既報)など、同和問題の根深さを痛感し再認識していることを表明。県政の重要な柱として同和行政の推進計画を策定し、とりくんでいる。あらゆる人権侵害救済へ、国レベルの救済制度が必要であり、国へ有効性ある法律の早期制定をと、要請を重ねていることも報告。人権政策確立へ積極的にとりくみ、協力して1日も早い解決を図りたいと、その姿勢を示した。
意見交換で県連からは、実態調査については、市町からも強い要望があがっており、課題を明らかにするためにも必要であることを指摘。県も「実態把握の必要はあり、市町から要望があるのは事実」であり、「推進計画」が3年後に期限をむかえることからも、「来年中には結論をだし、翌年実施し、つぎの計画に反映させる必要がある」との基本姿勢をあらためて明らかにし、引きつづき協議をおこなうことになった。
職員研修については、改良住宅の建設経過など歴史をふまえた研修が必要であることを確認。企業の社会的責任については、身元調査や「部落地名総鑑」の購入・所持、統一応募用紙違反などの企業にペナルティを与えることの啓発効果などを指摘し、実施を求めた。
県の「人権相談窓口」では、名指しで差別落書がおこなわれた2件について報告し対応を求めたが、「人権相談窓口」は対応せず、県人権・同和政策課のみが対応していたことが判明、引きつづき議論することとした。
就労支援事業については、就職困難者に対応する必要を指摘し、年度内に引きつづき話し合うことを確認した。
県連の要求により昨年度に成績要件を撤廃し、所得要件が緩和された奨学金については、県から、今年度の貸与者は988人であり、有資格者は全員採用したことが報告された。
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