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部落問題資料室
NEWS & 主張
K調査士に過料を決定
熊谷簡裁が不正取得事件で
「解放新聞」(2007.11.19-2345)

 【埼玉支局】他人の身元調査をおこなうために土地家屋調査士会の職務上請求書を不正使用して吉見町と狭山市から戸籍謄本など計5通をとっていた比企郡小川町のK土地家屋調査士にたいして、熊谷簡易裁判所は戸籍法と住民基本台帳法違反で計15万円の過料を決定し、9月はじめに通知した。県連の片岡明幸・委員長は、「行政罰としての過料決定は当然で、つぎは埼玉地方法務局がどのような処分をおこなうか注目している。戸籍法改正では、身元調査を根絶することができないことが明らかになった以上、本人通知制度の導入を強く法務省に求める闘いを続けたい」と語った。

つぎは法務局の処分に注目

 同様の違反事件にたいする過料決定は、3年前の兵庫県の行政書士不正取得事件、今年8月に発覚した三重県行政書士不正取得事件があるが、埼玉でははじめて。
  埼玉のこの職務上請求書不正使用事件は、住民の個人情報が違法な手段で不正取得されたとして、6月末に吉見町と狭山市が熊谷簡易裁判所に事件通告をおこなっていた。
  また、この事件は、戸籍法改正がおこなわれた直後の事件として、社会的に注目をあびていた。05年に兵庫県で発覚した行政書士不正取得事件は、現在でもなお社会の裏側で興信所や探偵社が同和地区かどうかの身元調査をおこなっている実態が浮きぼりになったが、法務省は事件の教訓から昨年、急きょ法制審議会戸籍法部会を再開し、パブリックコメントを募集したのち、本年2月の国会に戸籍法改正案を、4月27日に原則非公開を主な内容にした戸籍法の改正をおこなった。
  ところがその直後の6月、毎日新聞が比企郡小川町のK土地家屋調査士(行政書士)の不正取得を報道し、事件が明るみに出た。
  K調査士は、裁判所にたいして「調査士としての正当な業務行為である」と主張したが、裁判所はこの主張をしりぞけ、過料の決定をおこなった。決定で裁判所は「土地家屋調査士に求められている誠実かつ公正な職務の遂行義務に反する行為であって、これを見過すことはできない」と厳しく批判した。
  狭山市の仲川幸成・市長は決定を受けて、「今回の不正取得事件は誠に遺憾であり、二度とあってはならない」と見解を発表した。

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