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部落問題資料室
NEWS & 主張
「同和地区を教えて欲しい」と
多可町役場窓口で住民が
「解放新聞」(2007.12.10-2348)
 【兵庫支局】「同和地区を教えてほしい」と、6月12日、多可町の住民Aが多可町役場窓口を訪れ、同和地区の所在を町職員から聞き出そうとする事件(別項)が起きた。地元の支部は早急に対策会議をひらき、全支部員に事実経過を報告し、行政交渉に臨んだ。

2支部で対策会議

 行政からの報告を受けた多可高岸支部と多可東山支部は、合同の対策会議をひらいて両支部としての対応を協議した。
 協議では、①発言者は部落差別の存在を十分に知ったうえでの「確信犯」である②子どもの結婚に関して、部落を避けようとする意図が見える結婚差別である③町行政にたいして、事実と課題を全住民に周知徹底できる今後の対応策を求める④高岸、東山両支部が共同して対応する⑤早急に、両支部の同盟員に事実経過と支部の姿勢を伝える⑥東山支部は毎月発行している支部ニュースを活用して両支部全員に事実経過と支部の姿勢を伝えること、を決めた。
 「行政との事実確認及び対策に関する交渉」を7月3日、23日の2回にわたっておこなった。行政からは、町長、副町長、教育長、各課長の全員出席を要請し、両支部からは10数人が参加した。
 交渉では、行政から事件経過とその後の当局の対応が報告されたが、町職員へ「事実報告と問題の重要性」を伝える経過に、まったく緊迫性が欠けている点を指摘し、「深刻で重大な人権侵犯事象」であることを確認した。
 また、支部側から、①町職員、議員、区長全員への書面での事実報告②広報などで全町民へ事実を伝えること③当事者への説得行動④町職員人権学習・住民学習で今回の事件をとりあげて、より内容を充実させること⑤差別事件発生時のマニュアルづくり⑥解放学級の存在意義の確認、などについて要求した。行政からは、全町職員が人権学習できるようとりくむなど、回答があった。
 両支部長は、「行政からは、ほぼ要求どうりの回答を得た。本当のスタートはこれから。マニュアルもでき、学習の形も整い、あとは、参加者のココロに響く学習会にしていかなければ」と決意を語った。

多可町役場で差別事件(発言内容)
 A「中古バイクを扱っている店を教えてほしい」「町内の同和地区も教えてほしい」
 町職員「それは教えることはできません。なぜ知りたいのですか」
 A「以前、大阪で部落解放同盟の不祥事があり、同和地区にたいしてだけ、なぜ多額の税金を払うのか」
 町職員「そのようなことがあったが、まじめに差別の解消に向けてとりくみをしている人もいる」
 A「多可町の歴史調査のため「同和地区」を教えてほしい」
 町職員「私ではこれ以上お答えすることができないので、担当の職員をよぴます」
 (町職員は人権教育推進室長に電話。室長はすぐに役場の窓口に出向き、Aさんと面談)
 A「私は地域の付き合いもなく、子どもが20歳を過ぎ、結婚のことを考え、親として対象地域を知っておきたい。地域の付き合いがないので、他にしゃべらないから」
 室長「(自己紹介し、Aの住所・名前をメモ)あなたは間違っていませんか」
 A「住所・名前を書いたメモを返してほしい」
と顔色を変えて席を立ち、再び役場窓口へ。
 室長「(Aさんに)後日、連絡します」(室長は職場に戻る)
 A「(町職員に)「後日連絡する」とはどういう意味なのか」
 (町職員は、再び室長と専門員をよぶが、ほかの業務の説明で30分かかる。説明が終わると)
 A「先ほどの「後日連絡する」については、町職員が窓口になって私に連絡して下さい」
 (待っていた室長と専門員が近づいていくと、二人を無視して帰ろうとするので呼び止めるが、Aは帰ってしまう)

 (町職員からAに電話) 町職員「あなたの「同和地区を教えてほしい」という問いが間違っているので、もう一度話し合いをする必要があると思い…その意味で「後日、連絡する」といったと思う」
 A「私は四国や大阪にも住んでいたことがある。その時に解放同盟と行政の間に入っていろいろとやってきたし、十分勉強しているので、多可町からは何も教えてもらうことはない」
 (ここで電話が切れる)

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