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部落問題資料室
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「部落解放運動への提言」を徹底的に議論し
1日も早い運動と組織の再生を実現しよう
「解放新聞」(2007.12.17-2349)

 85年前に水平社創立大会を開催した岡崎公会堂のあった現在の京都会館で、12月12日に「部落解放運動への提言」が上田正昭・座長から組坂中央執行委員長に手交された。その後ただちに記者会見がおこなわれ「提言」が公表された。
  3月5日に「部落解放運動に対する提言委員会」が発足して以降、7回の提言委員会と4回の小委員会が精力的におこなわれ、「一連の不祥事の分析と部落解放運動の再生にむけて」の自熟した議論が繰り広げられた。上田座長を筆頭に15人の委員は、長い間それぞれの立場から部落解放運動にかかわり続けてこられた人たちであり、部落解放への熱い思いと部落解放同盟への大きな期待を抱いておられる方がたである。
  部落解放同盟は、今回の一連の不祥事にたいして、組織としての社会的責任にもとづいて主体的に問題分析をおこない、再生の課題へのとりくみをおこなっていくことは当然のことであるが、私たちの営みが独りよがりの独善的な考え方に限らないためにも、今回の「提言」を貴重な意見として受けとめ、日びの運動方針のなかに血肉化していく決意だ。

 「提言」内容は、部落解放運動全般にわたって言及されており、実に5章32項目におよんでいる。章立てだけを簡単に記すと、「(1)はじめに-危機打抜況を直楓する」「(2)一連の不祥事の背景の分析と問題点」「(3)部落解放運動再生への道」「(4)真の人権政策の確立を求めて」「(5)むすぴ―改革を停滞させないために」となっている。
  運動と組織のあり方について、身を切られるような思いにさせられる鋭い分析と課題提起がなされ、委員のみなさんの豊かな智恵と経験を惜しみなく傾注していただいた含蓄ある提言となっている。感謝すると計時に身の引き締まる思いである。
  「提言」は、最後の章で、「緊急に着手すべき課題」として6点の課題も提起している。すなわち、①規約の抜本的改革、行動指針の策定などをふくめて、組織体制の全体的見直Lについて検討すること②中央理論委員会を定期的に開催すること③中央オルグ団を抜本的に強化すること④組織内で学習機関の見直しと常設化をはかること⑤歴史・文化・民俗の分野での啓発と研究活動を強化すること⑥ICT(情報や通信に関する技術)を活用した情報発信のネットワーク運動を推進するプロジェクトチームを早急に立ち上げること、である。すでに、私たちが着手している課題もあるが、いずれも部落解放運動再生への重要な課題である。

 私たちは、「提言」内容を各級機関でしっかりと吟味し、部落解放運動に責任をもつ組織として、主体的に「何にとりくむべきか」「何から始めるべきか」ということを真剣に議論していかなければならない。
  12月中に中央執行委員会で、「提言」についての議論を開始し、来年早そうには都府県連役員や青年・女性部役員をふくむ拡大中央委員クラスでの徹底した学習・討論会を組織していく。これらの議論や意見をふまえながら、来年3月に開催を予定している第65回全国大会の運動方針案に着実に反映していきたいと考えている。そこでは、緊急の課題、中長期の課題を峻別しながら、部落解放運動再生へのとりくみを堅実にすすめていかなければならない。
  すべての各級機関と同盟員は、「提言」を徹底的に議論し、みずからの足もとを見つめなおしながら、運動と組織の改革課題を明確にして、間断なき「組織総点検・改革運動」をおしすすめていくことを強く訴える。

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