ハンセン病療養所のあしたをひらく
市民のつどい関西大集会in京都
「ハンセン病療養所のあしたをひらく市民のつどい関西大集会in京都」(
前号既報)では、神美知宏・全国ハンセン病療養所入所者協議会事務局長が基調を報告。「入所者の平均年齢は79歳。現在2800人が暮らしている。だが、医療施設である療養所に医者がいないなど、深刻な問題がある。将来展望をと厚生労働省に再三要求しているが、具体的な施策は何も示さず、「隔離施設の自然消滅まで黙って過ごす」という「立ち枯れ政策」を狙っていると思われる。療養所の社会復帰、地域の市民も利用できるひらかれた療養所をめざし、基本法制定へ向けて請願署名を100万人を目標にとりくんでいる。市民のみなさんに理解してほしい」と語り、署名への協力をよぴかけた。
星塚敬愛園入所者の玉城しげさんに「らい予防法」違憲国家賠償請求訴訟弁護団の大槻倫子・弁護士がインタビュー。玉城さんは、沖縄県出身の84歳で、13歳で発病した。「私のために親戚が漢方薬を飲ませてくれ、20歳まで自宅で暮らしていた。沖縄愛楽園の園長が来て、「療養所へいけ」と強く誘われた。鹿児島の敬愛園の園長から「2か月したら帰れる。お金もかからないし心配はいらない」と手紙をもらい、良いところだなあと思ってしまった。いってみると、着物を脱がされ、持っていたお金も取られ「あしたから働け」と頭ごなしにいわれた。「死んだら解剖する」との書類に印鑑を押すようにもいわれた。土木作業や患者の世話など、朝から晩まで手足が真っ赤になって、指が曲がらなくなるまで働かされ、死んだ方がマシだと思った。結婚して子どもを身ごもったが、夫は二度と子どもができないように「断種」させられ、私は7か月で無理やり堕胎させられ、赤ちゃんはホルマリン漬けにされた。父の「そんなこと(娘を苦しませたこと)は国がすることか!」との怒りの言葉に、私は国賠訴訟に起ちあがった。職員の言葉にも抵抗できなかったことを振り返ると、05年の判決は夢にも思わなかった。最近、私の友だちがどんどん亡くなっていく。療養所の将来について、国は(患者が)最後の一人になるまで看るといったのに、園長の「あなたたちのために医者も確保できない。ひとりで生活しなさい」との言葉が胸に突き刺さった。最後の希望を叶えたい」と支援をよぴかけた。
シンポジウムでは、国立療養所邑久光明園の元医師・青木美憲さんが、療養所で医師を確保することはむずかしい。やり甲斐と待遇を保障できれば、と発言。神事務局長は、療養所に医者が来ないなど療養所での医療が不十分な現状を報告、「私たちは人間復帰したい。偏見と差別の解消が課題。市民はまだ「よそ事」になっていないか。まず知っていただき、何ができるのか考えて行動してほしい」と訴えた。
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