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今年2月13、14日、第22回人権啓発研究集会が名古屋でひらかれる。今日ほど人権教育・啓発のとりくみが重要なときはない。一昨年の「不祥事」報道以後、市民の偏見や差別意識が強まっている。とりわけ差別意識を前提とした市民の「不当な一般化」による、被差別部落への偏見は、これまでの地道な人権教育・啓発の成果を大きく後退させた。
いっぽう、2002年の「特別法」失効後、人権教育・啓発のとりくみも後退している。
人権啓発研究集会を機に部落解放運動の積極面を広く知らせ、いま一度、部落解放運動の信頼を取り戻すためにも、人権教育・啓発のとりくみを抜本的に強化する必要がある。
そのことが部落差別意識の撤廃につながるのである。
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近年、不祥事の発覚とともに部落解放運動の負の側面だけが強調され、あやまった理解を助長し、運動の成果や積極面を打ち消し、被差別部落への偏見や差別意識を助長している。運動がみずから不祥事を克服し、信頼回復と再生に全力を尽くすことはいうまでもないが、そのためにもこれまでの成果と人権確立にはたした積極的役割を、人権教育・啓発活動のなかで展開する必要がある。
差別事件へのとりくみのなかで、行政機関をはじめ企業、宗教、教育、福祉、医療、メディアなどの組織に、反差別・人権の理念を浸透させるのに大きな役割をはたした。政治、経済、司法、行政、教育をはじめあらゆる分野に多大な影響を与え、それらの影響は今日の社会システムに組み込まれ、人権確立に大きく貢献している。それも部落差別だけではなく、多くの反差別・人権の分野を対象に大きな足跡を残してきた。そうした地道なとりくみを人権啓発のなかで紹介していく必要がある。
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そのためにも2000年12月6日に施行された「人権教育・啓発法」や多くの地方自治体で制定・施行されている「人権条例」の具体化を求めていかなければならない。また、これらの法制度を十分に活用するためには、地方自治体で推進体制と財政的裏付けをもった人権教育・啓発プランが必要である。どのような計画もそれを推進する人や組織、財源がなければ具体的にすすまない。そのためにも推進体制と財政的裏付けを明確に求めていく必要がある。
どのような計画も、具体的な課題と政策を提起し、実践しなければ達成できない。たんなるイベントやかけ声だけでなく、いつ、誰が、どこで、どのようなことを、どのような方法でやるのかを明確にする必要がある。
さらに、今日の情報・コミュニケーション技術を活用し、地域で人権教育のネットワークを形成する必要がある。人権教育にかかわる分野には、すでに核になるセンターやネットワークがあり、これらを活用し、創造していく必要がある。
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そのためにも地方自治体に、つぎの課題にとりくむよう求めていかなければならない。
①人権とかかわりの深い特定職業従事者にたいする人権教育・啓発をいっそう推進するための計画を早急に策定する
②人権教育・啓発推進の体制の整備と計画を策定する
③保・幼・小・中・高、大学、大学院大学などすべての教育機関で人権教育・啓発を推進する
④企業や各種団体などでの人権教育・啓発推進体制の整備、計画策走のための支援
⑤隣保館や公民館の拡充など、地域に密着した人権教育・啓発センターの整備
⑥各方面で人権教育・啓発推進のためのりーダー養成の条件整備
⑦人権教育・啓発の推進にかかわるNGOやNPOへの積極的な支援
これらを確実に実行に移すとともに、私たち自身が情報発信力を強め、早急に人権教育・啓発の推進体制を構築していこう。
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