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部落問題資料室
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主張

 

組織点検・改革運動の総括をふまえ
再生・改革へのとりくみを継続しよう
「解放新聞」(2008.03.03-2359)

 3月3~5日にひらく第65回全国大会では、基調方針案の部分で『部落解放運動の再生に向けた基本課題』が提案されている。
  そこでは、「一昨年来から3巡した「組織総点検・改革」運動は、今日的に運動と組織が抱える問題を、「懸案事項」として具体的に抉り出してきました。この段階で、基本的には総点検を終えて、具体的な再生への改革に着手すべきだとの判断に立ち、今後は「部落解放運動再生・改革」運動として継続していきます」との提案がなされている。
  この大会方針を議論していくにあたって、これまでの「組織総点検・改革」運動で何が議論され、何が懸案事項として具体的に把握されているのかということをもう一度、明確に認識しておかなければならない。
  そこでは、各級機関および同盟員一人ひとりが、「部落解放運動の危機的状況への認識をどこまでもっているか」、「部落解放運動をとりまく時代変化への適切な対応ができているのかどうか」、「これからの新しい運動創出へ向けて地域での具体的な課題をつかみきれているかどうか」という観点から問題を見ておく必要がある。
  そのさいに、昨年末に提言委員会から部落解放同盟に提起された『部落解放運動への提言』を活用しながら、問題点を点検し課題をさぐることも有効な手だてである。

 一昨年から3巡した「組織総点検・改革」運動では、一連の不祥事や特措法失効という状況のもとで、これまでの運動・組織のあり方を根本的に問い直し、実態に即した双方向の議論をすることを通じて、「運動の活性化」、「組織の強化」、「財政の健全化」、「人材の育成」の課題について意見交換をおこなってきた。
  これらの率直な意見交換のなかで、今日では早急に対応・改革すべき「懸念事項」が指摘されている。
  これらの懸念事項は、すべての地域で存在しているわけでもなく、それぞれの地域事情も異なっており、全国画一の具体的方針を出すことは不可能である。しかし、問題を抱える都府県連・支部では、けっして問題の先送りをすることなく、すでに確認されている問題対応への基本的な方向性を踏まえ、解決に向けた議論と改革実践を断行すべきである。すべての各級機関の幹部は、部落解放運動の再生を具体的に実現していくためにも、このとりくみに真剣に立ち向かわなければならない。

 現在すすめている「組織総点検・改革」運動は、点検による基本的な課題や具体的な懸念事項の把握を終えて、今後は、再生への具体的な実践に踏み切っていくべき段階に入ったとの認識に立って、「再生・改革」運動へ継承・発展させていくことが確認されている。
  このとき、必要なことは、「上意下達的な指示待ち」運動を早急に克服して、各級機関や同盟員の自発的・自主的なとりくみ姿勢を堅持するという意識改革が急務だということである。
  残念ながら、いまだに「中央本部・都府県連から支部にたいするきめ細かい具体的な指示を提示すべきだ」というような意識と姿勢が根強く存在している。基本的なとりくみの方向性や実践課題を提示することは必要であるが、各支部での自主的・自発的なとりくみが求められている。
  そのためにも、各級機関はそれぞれの任務と役割を忠実にはたすとともに、とりわけ各支部ではみずからの地域の組織の現実と差別実態の把握をしっかりとおこない、運動的・組織的課題を明確にするとりくみをおこなうことが不可欠である。このことを抜きにして、部落解放運動の再生はないということを肝に銘じて、地域からの力強い「再生・改革」を引き続き強化していこう。

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