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部落問題資料室
NEWS & 主張
校区に同和地区があるのか
不動産会社の社員が市役所に問いあわせ

「解放新聞」(2008.03.10-2360)

 【大阪支局】大阪市の不動産建設会社H建設のY社員が泉佐野市内にある土地購入で「校区に同和地区があるのか」と市役所に電話で問い合わせた事件(別項)で、このほどY社員らから反省文が提出された。府連はY社員らに真摯な反省と今後の人権問題にたいするとりくみを求め、確認会を終了した。確認会を通して、不動産の業者間で同和地区所在地の情報交換が日常的におこなわれていることが明らかになった。

確認会で業界のもつ体質が明らかに
  Yは、部落問題をほとんど学習した覚えはなく、学校の授業で基本的人権について学習した程度。不動産業界に入り、物件をあつかうことになってからは、東大阪市や大阪市内の部落について認識し、同和地区については「家賃が安いわりに設備のよい住宅に住んでいる」「税金をまけてもらっている」というイメージしかなく、また、客から同和地区かどうかと問い合わせがあれば、自分が知っていることは教えていた。
  確認会では、Yは、知り合いの女性に物件を売るために泉佐野市に問い合わせをおこなったこと。また、業者間で同和地区の所在地情報について日常的に情報交換されていることが、Yの話のなかで明らかになった。
  そのほかにも①顧客が土地家屋購入で、部落の有無を聞いてくる②会社として同和地区かどうかの情報を知っていれば、客に教える③(その地が部落なのか、近くに部落があるのかどうか)業者間による同和地区の情報交換がおこなわれている④在日外国人が多く住んでいる地域かどうかも調べることがある⑤H社の規模は小さく、業界団体の人権研修に社員を出席させるが、会社内では人権研修をおこなっていない、など宅建・不動産業界の体質が明らかになった。

事件の概要
 事件は、05年1月にH建設社員のYが泉佐野市役所に電話し「泉佐野物件が安いので購入しようとしている」「○○(地区名)に同和地区があるのか教えてほしい」「今住んでいるところは半分同和であり、できればそちらの物件の購入を考えている」「どうすれば調べることができるか」と問い合わせをしたことが発端となった。
  Yが東大阪市在住であることがわかり、電話で対応した泉佐野職員が後日、東大阪市役所で会うことを約束。5月にYは泉佐野市の土地に関する情報を聞けると思い、東大阪市のS建設M社長を同伴して東大阪市役所を訪れた。しかし内容が泉佐野市、東大阪市による差別事象の事情聴取であったため退席。これ以降、Yは「忙しい」などの理由で行政のよび出しに応じななくなる。
  府連では、鶴原、下瓦屋、蛇草、荒本支部と合同で、Y、Yが勤務するH建設のS社長、東大阪市役所に同行したS建設M社長に、事件への経過や部落問題にたいする認識・背景についての確認会をおこなってきた。

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