部落解放同盟第65回全国大会を3月3~5日、東京・九段会館を主会場にひらき、代議員764人、中央役員95人をあわせ859人が参加した。一連の不祥事をうけた、この1年半以上の間の論議をふまえ、不祥事の原因と背景を包み隠さず明らかにし、組織のあり方、運動のあり方への具体的提案をうけて、再生・改革への第1歩を踏み出す決意と、統一と団結の重要性を確認し、実践へ本格始動するための大会となった。また、これまで部落解放運動があげてきたさまざまな成果を、すべての市民・住民に広げながら人権のまちづくりをはじめ、世界人権宣言60周年・上杉佐一郎委員長没後13周年という節目の年に、「人権侵害救済法」の早期制定、狭山第3次再審をかちとること、格差拡大・固定社会のなかで激発する差別事件にたいする糾弾闘争を展開することを全体で確認した。
全力あげ信頼回復へ
第65回大会では松本副委員長が開会あいさつ。全員で解放歌をうたった後、水平社宣言を岸田副委員長が朗読。議長団に竹内哲也(島根)さん、小西美智子(佐賀)さんが就いた。
中央本部を代表して組坂委員長は、今年が世界人権宣言60周年、戦後の解放運動の中興の祖である上杉委員長が亡くなって13周年という節目の年にあたることを強調し、一連の不祥事で失われた信頼を全力をあげて回復しようとよぴかけた。具体的には、「提言」で示されたなかから、規約改正▽中央理論委員会の活性化▽「人権教育・啓発推進法」の活用▽人権のまちづくり▽抜本的な組織改革などをとりあげた。また、「人権侵害救済法」の早期制定、狭山第3次再審の実現、差別糾弾闘争の強化も訴えた。
来賓あいさつでは、太田誠二自民党人権問題等調査会会長(衆議院議員)、西博義・公明党同和対策等人権問題委員会事務局長(衆議院議員)、川端達夫・民主党部落解放推進委員会委員長(衆議院議員)、福島みずほ・社民党党首(参議院議員)、自見庄三郎・国民新党副代表(参議院議員)、高木剛・連合会長、森嶋正治・中央共闘議長、高松秀憲・全同教委員長、中山武敏・狭山事件再審弁護団主任弁護人から祝辞をもらった。
来賓紹介につづき、丸本千悟・大会運営委員長が大会の成立を報告。石川一雄、早智子さん夫妻が100万人署名達成へのお礼と狭山再審闘争への支援を訴えた。
一日目の午後からは、報告事項として一般活動報告を谷元書記次長が、財務・会計決算報告を吉田財務委員長が、会計監査報告を小島会計監査委員が、統制委員会報告を垣本統制委員長代行がそれぞれおこなった。
また、提案事項として一般運動方針案を松岡書記長が、財務会計予算方針提案を吉田財務委員長がおこなった。
4代議員が全体討論
二日目は、3分散会会場で運動方針案などの討議と、中央執行委員会構成役員の選挙をおこなった。
三日目は、前日の討議をもとに各分散会の報告が議長からおこなわれた。
全体討論では福岡、京都、奈良、大阪の4代議員が①一連の不祥事後の再生・改革に向けたとりくみ②差別事件へのとりくみ強化③解放理論の発展の重要性、などで意見を出した。
これらの討議を受けて松岡書記長が本部答弁と集約に立ち、諸課題についてあらためて本部の考え方を示した。
つづいて報告事項、提案事項を、すべて賛成多数で採択した。
大会スローガンを確認したあと、国府英雄・選挙管理委員長が選挙速報をもとに、役員選挙で中央執行委員会構成役員の全員信任という選挙結果を報告。つづいて中央役員の報告のあと、組坂委員長が新執行部を代表して、組織の再生・改革へともに闘う決意を示した。
大会宣言を西島書記次長が提案し、採択。議長団退任あいさつにつづき、岸田副委員長が閉会あいさつ。差別裁判うちくだこうを全員でうたったあと、組坂委員長の力強い団結ガンバローで3日間の大会を終えた。
第65・66期中央執行委員会構成役員
中央執行委員長 組坂 繁之
中央執行副委員長 岸田 章子
大野 昭則
松本 龍
中央書記長 松岡 徹
中央財務委員長 吉田 勝夫
中央統制委員長 竹之内健次
中央執行委員
和田 献一 谷元 昭信
西島 藤彦 北口 末広
村井 信夫 赤井 隆史
池田 清郎 橋本貴美男
岡田 健悟 福田登勢子
田川 雅人 原 伸一
辻本 正教 吉岡 正博
片岡 明幸
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