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部落問題資料室
NEWS & 主張
再検討を約束
人権尊重の社会づくりへ
「財源構造葦プログラム」で協議

「解放新聞」(2008.04.14-2365)

 【滋賀支局】滋賀県は、財源不足に対応するため08年度から10年度までの3か年でとりくむ「財源構造改革プログラム」で事業の廃止や縮小など90項目の削減案を明らかにした。部落解放・人権施策関連予算も補助金削減や補助率を2分の1から3分の1に後退させることが示されたことから、県連は、2月12日に滋賀県庁会議室で、県連役員と関係機関団体の代表ら22人の参加のもと、澤田史朗・副知事(県同和対策本部長)、斎藤俊信・教育長と、部落解放・人権政策確立に向けた08年度県予算に関する協議をおこない、再度の検討を要請した。

大幅な削減を許すな

 協議では県連から、「部落解放・人権政策の確立を求める県内の各種団体や市町会・町村会などから、このような一方的な予算削減と、人権・同和問題の解決は市町行政だけの責任であるかのような「行政改革プログラム」での記述にたいして、各団体から多くの反対の声があがっている」と訴えた。
  また、関係機関団体からも「すでに経費節減に努めてきた。これ以上予算を削られると組織として運営が立ちゆかなくなり、差別の解消に向けた運動を緩める結果につながる」「人権という人間の尊厳を守る問題などに関しては予算を重点配分すべきだ」「県は差別の実態に目を向けてほしい。県は乳幼児期(保育園)から人権学習を実践している、すぼらしい県であるのに、こういう形で補助が減らされることにひじょうに危機感を覚える」と訴えた。
  それにたいして澤田副知事は、「まだまだ県内の差別事象はなくなっていない状態ではあるが、今後見込まれる大幅な財源不足のなかで、県は大変厳しい状況である。今年の財源不足は420億円にのぼる。これは非常事態であり、聖域を設けずに考えていかなければ解決できない問題である。しかし、人権尊重の社会づくりにたいしては、これまで以上に力を入れていかなければならないとも考えている」とのべた。「行政改革プログラム」での記述にたいしては「県がこれまで担ってきた役割や義務を放棄するわけではなく、これまでの考えを変えるわけではない。財政面に関しては市町への対応として各市町の財政力の状況も判断材料に入れながら再度検討していきたい」と県の見解を示した。
  最後に、建部五郎・県連委員長が、「人権問題を解決していくためには県行政は何をしなければならないのか考えてほしい。県と力をあわせて解決していきたいのは変わらない」とのべ、再度の検討を要請した。

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