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部落問題資料室
NEWS & 主張
雇用差別撤廃めざす
連合と中央共闘が人権学習会

「解放新聞」(2008.04.28-2367)

 日本労働組合総連合会(連合)と部落解放中央共闘会議(中央共闘)が共催し、4月10、11日、「人権学習フィールドワーク」をひらき、63人が参加した。初日は東京・総評会館で「人権侵害救済法」や就職差別の現状と、6~8月に予定の「就職差別の廃絶に向けた実態把握のためのアンケート」などの連合の今年度のとりくみを確認、2日目は埼玉県狭山市で狭山事件の現地調査・学習をした。
  連合と中央共闘共催の狭山現地調査・学習は、今回で5回目。
  連合の大塚敏夫・総合組織局長と中央共闘の森嶋正治・議長が、主催者あいさつ。大塚局長は「差別と闘う姿勢が必要。人権の尊さ、人権を守るむずかしさを学び、職場、地域でいっそう奮闘を」と提起。森嶋議長は、「救済法」、雇用差別撤廃とともに、「司法の問題点が凝縮」と狭山事件を提起、「真相、無実を示す数多くの証拠などを確認し、確信を運動に」と訴えた。
  「人権侵害救済法」制定をめぐっては、民主党の福山哲郎・部落解放推進委員会事務局長(参議院議員)が講演。連合が今年はじめてとりくむ「就職差別の廃絶に向けた実態把握のためのアンケート」は片岡千鶴子・連合男女平等局長が、連合の今年度の人権政策・運動は磯部行雄・連合連帯活動局長が説明し、確認した。

現調の確信を運動に狭山へ
連合と中央共闘と

          日本労働組合総連合会と部落解放中央共闘会議が共催した「人権学習フィールドワーク」には、部落解放同盟からは、組坂委員長、西島書記次長、埼玉県連の片岡明幸・委員長、小野寺一規・書記長らが参加した。
  西島書記次長は、戦後の就職差別撤廃の闘いの経過と就職差別の現状・課題を中心に講演。「統一応募用紙」、受験報告書、戸籍等取得時の本人通知制度などの意義を訴えるとともに、99年の「職業安定法」改定・労働大臣指針の意義を強調。就職時の本人の適性・能力以外の情報収集はいまや明確な法律違反にもかかわらず、戸籍謄本等不正大量取得事件(06年)、「電子版・部落地名総鑑」(07年)、自治体による違反など就職差別が横行している現実を語った。
  小野寺県連書記長は、狭山事件の概要と経過を説き、背景にある部落差別と司法民主化の課題を指摘、安田中央本部事務局員とそれぞれ「自白コース」を案内。確定判決は空論、事実調べは不可欠、と訴えた。
  石川一雄さん夫妻は、第3次再審にかける不退転の決意を表明。歌「苦難故涙は滴れずに川となり司法に濁流となって攻め入らん」も贈り、事実調べ―再審へいっそうの支援を訴えた。
  閉会あいさつで、連合の磯部連帯活動局長は、「救済法」制定、就職差別撤廃など「連合としてのとりくみを、いままでよりも一歩でも前進させたい」と表明し、狭山事件についても「本当に胸のつまるお話をずっと確認し、えん罪がはれるように思いを強くした」と表明、「連合と共闘会議との連携をこれからも強めたい。地方でのとりくみにもぜひ協力を」と語った。
  「人権学習フィールドワーク」には、連合構成組織の自治労、全水道、日教組、情報労連、JP労組、電力総連、NHK労連と、15の地方連合会から参加した。

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