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部落問題資料室
NEWS & 主張
親の職業も質問
公正採用の基礎知識さえなし
県立学校人事課との交渉で判明

「解放新聞」(2008.04.28-2367)

 【埼玉支局】「父と母は、今はどういう状況なのか」など、親の職業や同居状況を質問した県立学校実習助手採用試験での就職差別事件(2357号既報)にたいし、県連をはじめ埼玉高等学校教職員組合、埼玉教職員組合、埼玉県人権教育研究協議会の4団体が3月27日、さいたま市内で教育局県立学校人事課と話し合いをおこなった。県立学校人事課長は「不適切で、受験者に誤解を与えたが、質問に差別の意図はなかった」と繰り返した。さらに公正採用選考の指導要綱違反や、県の応募用紙のずさんさが明らかになった。

職員採用選考で
  この事件は、昨年11月におこなわれた県立学校実習助手採用試験の第2次試験(面接)で、県立学校人事課職員が「意向聴取票」を配付して、両親が別居状態にある生徒に「父と母は、今はどういう状況なのか」「父はどこに住んでいるのか」「母の勤務先はどこか」など質問、生徒からの訴えにもとづいて問題が表面化したもの。
  話し合いでは、松下幸夫・県立学校人事課長が、「家族関係を聞いたのは、不適切だった。受験者に誤解を与えてしまった」とのべたうえで、「質問に差別の意図はなかった」と繰り返した。
  参加者からは「誤解を与えたかどうか、という問題ではない。明らかに厚生労働省や県労働局の公正採用選考の指導要綱に違反している問題」と厳しく指摘した。また、面接時の質問だけでなく、「実習助手の応募用紙や、県公立学校教員の応募用紙にも、いくつもの違反事項が見られる」と指摘した。
  さらに参加者から、「県の応募用紙は、1973年の統一応募用紙が誕生する以前の社用紙時代のレベル。教育委員会の採用試験担当者が、いかに就職差別や公正採用の基礎知識を欠いていたかを示している」と糾し、「96年の改定で都道府県名だけの本籍欄が廃止されたことにともなって、国籍欄も廃止されているのに、県の用紙には国籍を記入するようになっている」と違反事項を指摘した。
  松下人事課長は「来年度から改善する」と回答したが、参加者が「何がどう違反しているか明らかにすることが先決」と批判、あらためて話し合いをもつことになった。


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