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部落問題資料室
NEWS & 主張
憲法9条の実践を
施行61周年集会で確認

「解放新聞」(2008.05.19-2370)

 憲法施行61周年記念集会を5月3日午後、東京・日本教育会館でひらき、700人が参加した。主権在民、基本的人権の尊重、平和主義の憲法理念の実現へ、政権交代―民主主義の前進を「攻め」とろうと誓いあった。平和憲法をないがしろに自・公政権が着ちゃくとすすめてきた解釈改憲―米軍再編などの危機的現実に、憲法9条を実践する全力での闘いを確認した。主催は、フォーラム平和・人権・環境(平和フォーラム)。
  沖縄からは、「63年間米軍基地が存在することでずっと起こりつづけている力の根絶に、綱紀粛正など小手先の方法はいっさい有効ではない。確実な具体的な米軍撤退の提案なしに解決策はない」と強調した。
  神奈川からは、8月19日に迫った原子力空母ジョージワシントンの横須賀配備阻止の闘いについて、住民投票条例を制定させる2度目の直接請求の署名提出を受けて5月12日から市議会で議論されるが、状況は厳しく、それ以外の多様な闘いも、と提起。平和フォーラムと協議して闘争本部を設け、平和フォーラム結成いらい初の1万人規模の全国集会を7月19日に横須賀で、と訴えた。
  平和フォーラムの福山真劫・事務局長は、貧困や非正規労働者への無策、福祉の後退につぐ後退など「自・公政権―福田内閣の無策ぶりは枚挙にいとまがない。闘いで大きな時代の転換点をかちとれる」と開会あいさつ。閉会時には、政権交代へ「攻める」認識を確認するとともに解釈改憲との闘いを強調し、全力での闘いを訴えた。

平和憲法の実現こそ解釈改憲許さず闘いを

 憲法施行61周年記念集会で、江橋崇・平和フォーラム代表は、主催者あいさつをかねて現在の政局を分析。衆院信任の議院内閣制にも両院信任の国会内閣制にもなる日本国憲法の特性を解き、参院の与野党逆転後も「多数支配」時代の論理を貫く福田政権を厳しく批判した。憲法がいう市民主権は何度もくりかえし市民の意見を聞く政治、欧州の「少数内閣」の知恵に学び、民意を聞け、と訴えた。
  集会では、山口二郎・北海道大学教授が「民主主義の現状と政権交代への展望」と題して講演し、沖縄(高里鈴代「基地・軍隊を許さない行動する女たちの会」共同代表)と神奈川(加藤泉・神奈川平和運動センター事務局長)が「空洞化する憲法と米軍再編」と題して米軍再編をめぐる最前線にある両県の闘いの現状を提起。井加田まり・自治労中央執行委員が「武力で平和はつくれない、9条キャンペーン」を提起した。
  山口教授は、日本の民主主義の前進に政権交代は「至上命題」と提起。多数決と対の民主主義の基本、多数の専制防止が深刻に機能しないのは「自民党=国家、自民党に逆らう=国家に逆らう」の感覚―自民党長期支配が根源、「自民党はしょせん政党」「自民党の身勝手で発足した福田政権自体そもそも正当でない」「政権交代しないと呪縛は解けない」と訴えた。
  自治労の井加田中執は、参院の与野党逆転の結果、自民党ベースの明文改憲は遠のいたが、米軍再編など違憲状態が着ちゃくとすすむ現実にたいし、「軍事力による平和」への逆行を許さず人間の安全保障の政策の実現を、と「武力で平和は創れない、9条キャンペーン」(略称は9条キャンペーン)を提起。9条バッヂ、ポスター、9の日行動に加え、ホームページを設けて各地の闘いの情報を全国に発信したい、と提起した。


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