1
ネット上の差卯事件がいちじるしく増加している。これらの事件も現実空間の差別行為者が存在しており、紛れもなく現実空間の事件である。電子空間が悪用されているのである。2
インターネットの特色は、時間的・地理的制約がないこと、不特定多数の人が対象であること、匿名で証跡が残りにくいこと。また、情報発信や複製・再利用が容易であり、場所が不要であることなどである。こうした特性を縦横に利用したネット環境のもとでの差別事件にたいしては、現実空間を前提としたこれまでのとりくみ方では不十分であり、これらの特性をふまえた新たなとりくみ方が求められている。3
「電子版・部落地名総鑑」に代表されるように電子空間では差別や人権侵害が放置されているといっても過言ではない。人間の差別意識が極大値に達しているのではないかと思われるような記述も稀ではない。それが電子空間というグローバルな世界で進行しているのである。これらの電子空間上の差別事件や人権侵害にたいして決定的な対処法がないという状態が続いている。社会的、法的、教育的なシステムが十分に整備されていない。今こそ電子空間と現実空間を行き来する社会になっていることをふまえたうえで、インターネットを活用した人権教育・啓発などをはじめとしたとりくみが求められている。「解放新聞」購読の申し込み先
解放新聞社 大阪市港区波除4丁目1-37 TEL 06-6581-8516/FAX 06-6581-8517
定 価:1部 8頁 115円/特別号(年1回 12頁 180円)
年ぎめ:1部(月3回発行)4320円(含特別号/送料別)
送 料: 年 1554円(1部購読の場合)