第34回部落解放文学賞の表彰式と懇親会が7月26日、大阪でひらかれ、入賞者12人(3人が欠席)はじめ、選者、関係者ら80人が参加した。
表彰式は評論部門の最終選者であり、文学賞をささえてきた村越末男さん、識字部門1次選者の内山一雄さん、詩部門で入賞され多くの作品をよせていた永尾三郎さんに黙祷をささげ、はじまった。
鎌田慧・実行委員会代表が「この文学賞を支えるため、たくさんの先人ががんばった。書くことと生きることはつながっている。書かないと生きていけない。書くことできりひらく。書くことで差別を打ち砕く。そのような人間がひらかれるという文学にふれるのは選者の喜びである」と、人間性を喪失させる時代のか、部落解放文学賞がはなつ役割は大きく、続けていくことが重要と強調した。
組坂委員長もかけつけ、「人間の尊厳を求める文学、水平社宣言が求めた人間性を追求するためにも部落解放文学賞を継続させよう。文学賞に数多く入賞し、それを1冊の本にした井上ハツミさん(広島)の苦しみ、つらさ、悲しみをくぐり、人間の尊厳に立った作品にふれ、目頭が熱くなった。今後も多くの作品を期待する」と激励した。
2部の懇親会では入選者が喜びの言葉とともに、なぜ書きたいと思ったか、人生から湧きでた言葉として作品がうまれ、文字にすることで自分の真の姿に向き合った苦しみ、言葉を探しあてたすがすがしさなどをふりかえった。
選者もそれぞれ、部落解放文学賞にたいする期待と受賞した作品について語り、生き抜くことを書いたものを、どう原石のまま掘りだすか。新しい表現の可能性を文学賞がもつことが語られた。
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