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部落解放同盟の機関紙『解放新聞』は、いうまでもなく、部落解放同盟の当面の方針や長期的展望に立った方向性を明らかにしながら、各地の状況やとりくみを反映し、部落解放――人間解放へ向けた理論的展開などもおこないながら、同盟員、きょうだいの全国的紐帯をつくりだすことにある。あるいは、当然のことだが、部落差別への怒りを、さまざまな差別事件や実態を示しながら組織していくことも、任務である。
また、被差別部落の実態を明らかにし、そのなかで明らかになった課題を、どう克服していくかという方針、方向性をともに考え、示し、実践していくための指標としても存在している。
ここでいう部落の実態とは、住環境や差別事件だけではなく、生活の上で生じる、さまざまな現象・問題もそれに含まれる。たとえば、生活のなかにあらわれる貧困の問題、就労の問題、健康の問題、教育の問題などなどがそれだ。もちろん、現在も相談活動などをつうじて、個別の解決が模索され、そこから新たな課題を発見し、根底的な解決へとりくむ活動が続けられている。
私たちの課題は、こうした個別に見える問題が、じつは部落民にとって普遍的なものを含んでいることを、どう発見し、解決に向けた諸施策、法、制度などのシステム構築に結合していくかである。と同時に、普遍化していくステップとして、問題を共有化していく必要がある。その一つとしてあるのが、こうした部落の実態を機関紙『解放新聞』に集約し、反映させ、プライバシーなどに配慮しながら掲載していくことである。
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最近の『解放新聞中央版』に期待する声として聞こえてくるのが、中央の闘争方針や機関会議などはきちんと掲載されているが、そうした部落の実態を反映した記事などが少ないのではないか、というものである。もちろん、編集部は、先にあげた問題意識をもっており、取材先を探そうと、さまざまなチャンネルを使ってアタックしている。しかし、なかなか「実態」をつかみ得てない、というのが現状だ。
もちろん、情報把握へ努力は続けるが、各支局や分局でも、こうした実態をつかみ、掲載し、中央版にも情報を寄せてほしい。
もう一つ、機関紙にとって重要なのは、さまざまなオリジナリティーをもった地域のとりくみを、積極的に報道していくということである。新たな時代の新たな運動を切りひらくための各地での模索、成功したとりくみなどは、全国の仲間と共有してこそ、さらに成果をあげ、それぞれがステップアップすることができる。
ムラじまん・支部じまんのコーナーを中央版では作っているが、これもなかなか情報が集まっていない。ぜひ、ここでも全国組織網の強みを発揮し、各地の部落解放――人間解放に向けたとりくみの実践を積極的に紹介していこう。そして、それぞれの紙面に反映していこう。
さらに、部落差別のなかを生き抜いてきた人びとの生き方もふくめ、人間の顔が見える記事、紙面、新聞づくりをめざそう。
こうした方向性を確認しながら、中央版でも新たな紙面改革をさらに模索し、実践していきたい。各支局でも、いままでどおりではない新たな紙面改革を企画し、ともに実践してほしい。
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こうした紙面改革と同時に、機関紙活動を教宣活動の要におき、機関紙活動の基本である4原則――配布、集金、拡大、活用をやりぬこう。
とりわけ、同盟員は当然のこととして、部落内外の未組織のきょうだい、反差別共同闘争を担う人びと、まちづくりを担う人びとなどを軸に、『解放新聞』の購読を広げていこう。
『解放新聞』の拡大が、組織、運動の拡大に直結することを自覚し、持続した活動を展開していこう。
「解放新聞」購読の申し込み先
解放新聞社 大阪市港区波除4丁目1-37 TEL 06-6581-8516/FAX 06-6581-8517
定 価:1部 8頁 115円/特別号(年1回 12頁 180円)
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