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9月6日から8日までの3日間、奈良市内を中心に「部落解放第16回中央福祉学校」をひらく。2
そこで強調したことは、「部落問題は、「部落」を口実にした差別・排除・忌避の長年の繰り返しによって構造化した社会問題であり、今日においてもなお再生産し続けてきているのは、新たな社会矛盾が部落差別と複雑に絡み合ってきているからです。そして、今日もまた、絶えず新たな矛盾を敏感に吸い付けてしまって複雑化する危険性のある社会問題なのです。そうすると、同和行政は、部落への差別と他の社会矛盾が交差し、部落差別を複雑化・再生産していく「交差点」を部落という地域に見出し、そこにある隣保館(教育集会所)での「発見」機能を強化することでなければなりません。そしてその機能は、困難事例だけを瞬時的に着目するのではなく、「ひと」「まち」に継続的に着目した事業として位置付かねばならない」ということだ。3
4年前の基調は、今日もその意義を失っていないばかりか、ますますその必要性が大きくなってきている。今日の格差拡大状況は、まさに「新たな社会矛盾」として社会問題化している。これを克服していく方向は、私たちが一貫して提起してきた反差別・反貧困の視点に立った「生存権と人間の尊厳」を守り確立させていくとりくみが何よりも重要であり、前述の「基調」を具体化していくことである。4
格差問題の核心は、単純に格差が存在しているということではなく、労働者派遣法などのような法制度によって格差が固定化させられてしまうことと、人間としての生存権や尊厳を脅かされ希望をもつことすらできないような困窮状況をつくり出したり、放置・黙認することであり、そのことが差別構造として機能することであると、私たちは考えている。5
5年前の一連の不祥事で、部落解放運動が戦後最大の危機に直面していることは衆知のとおりである。そして、この不祥事を口実にして同和行政・人権行政の縮小・後退の動きが各地で顕著になってきており、国の福祉予算削減動向とあいまって、地域福祉運動の前進にとって困難な局面に直面していることも事実だ。しかも、人権・平等をめぐる右からの露骨な攻撃が、戦後政治の鋭い総路線対決として繰り広げられている情勢のもとで、部落解放運動など人権諸団体にたいする嫌悪感をあらわにしたバッシングが執拗におこなわれている。6
第16回中央福祉学校は、以上のような認識のもとにひらくものであり、関心をもつ人であればだれでも参加できるし、多くの人に参加をしていただきたい。「日本の社会保障と地域福祉」「地域社会の再生は可能か」「隣保館の活性化について」「後期高齢者医療制度について」などをテーマとした講座や福祉活動現場のフィールドワークを予定している。「解放新聞」購読の申し込み先
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