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部落問題資料室
NEWS & 主張
「心からおわび」と謝罪
シルバー人材センター差別講演事件
糾弾学習会で

「解放新聞」(2008.09.08-2386)

 熊本県八代市のシルバー人材センター職員が、(社)佐賀県シルバー人材センター連合会の業務担当者職員研修会で差別講演をおこなった事件(2367号既報)の糾弾学習会を8月25日午後、八代市役所でひらいた。
  糾弾学習会では、講師本人が、「4月の確認会後に、研修に参加すればするほど自分の発言が大変な発言であることが身にしみた。心からおわびしたい」と謝罪。坂田孝志・八代市長も「責任を痛感しております。差別のない明るいまちにすることは行政の責務であり、さらなる人権教育・啓発の必要性を感じている。今回の糾弾学習会を、あらためて部落問題を学ぶ機会としたい」と発言した。
  八代市シルバー人材センター理事長は、過去にさかのぼり調べたが、20数年間にわたり、一度も同和問題の研修はおこなわれてなく、差別講演をした当該職員も一度の参加もしてなく、このことが事件の大きな要因の一つであり、本人だけでなく、センター全体の問題と反省。全職員の研修などにとりくむことを約束した。
  研修については、行政からほお知らせやポスター配布だけで、重ねての要請はなかったことも判明。外郭団体もふくめた研修の実態を把握し、充実させることとした。
  講演会主催者の(社)佐賀県シルバー人材センター連合会が、講演の場で問題点を指摘できなかったことについては、「止めるべきだったが勇気がありませんでした」とふり返り反省。差別講演の受講者を対象に、6月17日に、あらためて研修会をもったことも報告され、指摘できる研修を積み重ねるよう求めた。
  講師本人については、今後もみずからの差別意識を切開するよう求め、とりくみを見守ることにした。
  関係行政や団体については、課題を実状把握をしながら、協議をすることを確認した。
  講演では、生活が苦しかった頃を「えた・ひにん」の時代と否定的にふり返り、シルバー人材センターはいい職場と強調していた。
  糾弾学習会には、九州ブロックから吉岡正博・事務局長、豊田正實・熊本県連委員長、井上隆司・佐賀県連委員長、など20人が参加。関係行政、団体から46人が出席した。

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