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部落問題資料室
NEWS & 主張
曹洞宗として初の追善供養
これまでは二つの大本山の主催で

「解放新聞」(2008.09.22-2388)

 曹洞宗は9月9日午後、第1回「被差別戒名物故者諸精霊追善法要」を長野県長野市松代町の長国寺でおこなった。部落解放同盟からは、組坂委員長をはじめ、長野、群馬、栃木、新潟、滋賀の各県連から15人が参加し、焼香した。
  曹洞宗の「被差別戒名物故者諸精霊追善法要」は、大本山永平寺では81年から、大本山總持寺では84年から、それぞれの大本山主催で毎年おこなってきた。今回は、その両大本山の追善法要とは別に、初めて曹洞宗主催の追善法要としておこなった。導師は渕英徳・宗務総長がつとめた。
  主催者あいさつで、渕宗務総長は「「差別戒名」改正のとりくみを形骸化させず、より多くの宗門僧侶にもつづけて啓発していくためにも宗門の主体的な被差別戒名物故者追善法要の開催を提案した。本日、追善法要をとおし、あらためて宗門僧侶による差別戒名授与という釈尊の平等の教えに背いた行為への心からの懺悔と、死後にまで差別を受けた方がたへのおわびとともに、あらゆる差別の解消、人権の確立に向けての自覚と決意をあらたにさせていただいた」とのべ、「差別戒名」改正のとりくみ状況などを報告、「さらに完全改正をめざし、一つひとつの状況をみながら、具体的に督励活動をすすめたい」と決意を語った。
  差別戒名墓石は、対象寺院145か寺中126か寺で改正、差別過去帳は対象寺院218か寺中202か寺で改正、宗門の直接的「差別戒名」の総数は過去帳記載1万1300霊、墓石約1900基、と報告。パンフレット「「差別戒名」改正の取り組み~俄悔と人権啓発の誓い~」を同日発行したことも報告された。
  来賓あいさつで、組坂委員長は「「水平社宣言」にあるように、生きていても、嘲笑のツバをはきかけられ
る、呪いの世の悪夢。死んでなお、許し難い差別戒名を受けざるをえなかった先人の思い。いかばかり苦しかっただろうか」と語り、差別墓石に手を合わせてきた部落の先輩たちの姿に「仏を見る」といった作家の故・水上勉さんの言葉を紹介しながら「こうして差別戒名の追善法要をやっていただくことは、まさにみなさんの姿に仏を見る思いだ」と感謝の気持ちを表明、部落差別をはじめ差別撤廃に向けた曹洞宗の今後のとりくみへの期待を語った。
  追善法要後、同じ場所で、長野県連の深井計美・顧問が、長野県内での「差別戒名」改正のとりくみの経過などについて講演した。


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