「解放新聞」(2008.10.06-2389)
【東京支局】「戸籍など不正取得された本人に通知せよ」の要求はしごく当たり前。都連は、行政書士・司法書士による戸籍謄本等の不正取得事件の真相究明にとりくんでいるが、これまで各区の個人情報保護条例にそって墨田区、足立区、大田区、港区、目黒区で「本人通知」がおこなわれた。また、葛飾区では、広報「かつしか(No1369)」で「他人の住民票や戸籍証明書を不正に取得した事実が明らかになった場合、被害者に請求人の氏名などを通知する」と本人通知を掲載するとともに、戸籍住民課の窓口にも掲示した。
葛飾区は広報に本人通知を掲載
神戸司法書士会所属のK司法書士が戸籍謄本等を不正請求した事件で都連は、市区町村行政に公文書開示請求(05年~08年までにK司法書士名による戸籍謄本等の請求書の開示)をおこない、真相究明のとりくみをはじめた。その結果、8月4日までにK司法書士が、足立区4件、墨田区6件、江戸川区4件、目里区2件、品川区8件、大田区5件、港区1件、葛飾区4件、江東区3件、練馬区12件の戸籍謄本等の不正請求をおこなっていたことが判明した。
都連では、これまで、二度にわたり戸籍謄本不正請求事件の真相究明のとりくみをおこなってきた。
05年に発覚した兵庫県と大阪府の行政書士3人が興信所の身元調査に絡んで他人の戸籍謄本・住民票を不正に取得し、報酬を受けとっていた事件では、墨田区をはじめ11区で合計31件の不正請求が判明した。この事件のとりくみでは、墨田区が「本人通知」をおこなった。(この事件では、広島県福山市で9件の「本人通知」がおこなわれ、3件が身元調査の可能性があり、さらにその内の2件が結婚にかかわってのこととみられている)
07年に発覚した三重県の行政書士による戸籍謄本等不正取得事件では、都内の中央区をはじめ八王子市、武蔵野市など27区市、59件の戸籍謄本などが不正に取得されたことが判明している。都連の各支部は、これら市区行政にたいして「不正取得された本人へ、事実を、責任をもって知らせるために、訪問あるいは通知するよう」に申し入れた。このとりくみを通じて墨田区、足立区、大田区、港区、目里区で「本人通知」がおこなわれた。
都連では、本人が知らない間に、差別調査されることは、絶対に許せない、今後も差別身元調査事件根絶のために、神戸の司法書士による戸籍謄本等不正取得事件の真相を究明を訴えるとともに、また「本人通知」のとりくみをさらに前進させよう、と語っている。
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